管理人のイエイリです。
豪雨の激甚化に伴い、ニュースでも斜面崩壊などの土砂災害が報じられる機会が増えてきました。
地盤の表層崩壊が起こりやすい地形は、谷地形の等高線の開口よりも奥行きが浅い「0字谷」や、高さ30m以上の「長大斜面」と言われています。
応用地質はこのほど、0字谷などの表層崩壊危険斜面の全国マップを開発し、公開しました。
0字谷や長大斜面がどこにあるのかは、「応用地形判読士」という資格を持った技術者が2万5000分の1縮尺の地形図とにらめっこして探し出していましたが、全国マップを作るとなると気の遠くなるような作業量が必要です。
そこで応用地質は、応用地形判読士の地形判読ノウハウを、
ナ、ナ、ナ、ナント、
AIに学習させて
危険斜面を自動的に探し出し、地図上にマッピングしたのです。(応用地質のプレスリリースはこちら)
AI(人工知能)による抽出精度である再現率は88%、適合率は66%と高く、内閣府の戦略的イノベーションプログラム(SIP)の第二期「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」の土砂災害情報としても活用されました。
この表層崩壊斜面マップは、実際に起こって過去の土砂災害の発生場所とも合っています。下の例をご覧ください。
全国の津々浦々にある谷地形から、危険個所を人間の目だけで探すのは大変な労力と時間がかかりますが、危険のありそうな場所を、
AIでスクリーニング
して、絞り込んでから専門家がじっくり検討するという方法が採れると、見落としなく、スピーディーかつ効率的にハザードマップなどが整備できそうですね。
応用地質は「表層崩壊危険斜面全国マップ」のウェブサイトで、サンプルマップを公開中です。本マップの利用については、同社の問い合わせサイトからおたずねください。