管理人のイエイリです。
オフィス内にある什器や備品のうち、取得価格が10万円以上(中小企業は30万円以上)のものは「固定資産」として扱われ、固定資産管理台帳に記載して管理していく必要があります。
毎年、資産の所在や状態、残存簿価などを確認する「棚卸し」を行い、減価償却費を予算化しますが、棚卸し業務が大きな手間になっています。
特に「あの家具はどこに行った?」など、所在確認は大変そうですね。
そこで清水建設は、什器・備品類の棚卸し業務を効率化するサービス「Shimz One BIM+」を開発し、提供を開始することになりました。
その特長は、オフィスや什器・備品を、
ナ、ナ、ナ、ナント、
BIMモデル化
し、そのデータを固定資産管理台帳と連動させて管理することなのです。
この“3D固定資産管理台帳”によって、固定資産の棚卸し業務は一変します。担当者は台帳に記載されている特定の資産をクリックするだけで、3Dモデル上でその資産が色分け表示されるので、ひと目で所在を確認できます。
逆に3Dモデル上の資産をクリックすると、BIMモデルの属性情報によって台帳の情報が表示されます。そこに資産の維持管理状態を記入すると、属性情報と台帳が同時に更新されるのです。
「Shimz One BIM+」の基幹システムは、オートデスクのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフト「Revit」と、クラウドペースのデジタルツインソフト「Tandem」で構成されています。
新しく什器や備品などを購入したときは、主要なオフィス家具メーカーの製品ならファミリ(Revit用のBIMパーツ)を提供しているので、BIMモデル上に
“コピペ”するだけ
で、オフィスの3Dモデルや固定資産管理台帳に追加できます。
オフィスの模様替えをするときも、BIMモデル上で什器・備品の位置を移動すれば、台帳から自動追跡できるので、棚卸しも楽になりそうですね。
「Shimz One BIM+」の気になるサービス価格ですが、BIMデータが既にあり、フロア面積2500m2、管理対象の什器・備品類が1500点程度の新築オフィスの場合、基本料が120万円、年間の保守費用が60万円とのことです。
保守には、3Dモデル上での管理対象資産のレイアウト変更やクラウド利用料、問い合わせ対応などを含みます。なお、BIMデータがない場合の新たなデータ作成や特殊な什器・備品のファミリ作成は有償となります。
既に自動車メーカー系の生産施設や、金融基幹系の事務所ビルなどへの導入が内定しています。
BIMは建物の設計・施工だけでなく、総務部などのバックオフィス業務でも活用され、生産性向上や働き方改革を実現する時代に入ったようです。
什器・家具メーカーも、BIMパーツをユーザーに提供することが、販促手段としてますます重要になってきそうですね。