管理人のイエイリです。
台風などで樹木が倒れ、人や車両に被害を及ぼしたニュースをテレビなどでよく目にしますが、国土交通省の調べによると倒木の数は、国や都道府県、自治体が管理する街路樹だけでも、年平均約5200本にも上ります。
こうした事故を防ぎ、樹木の健全性を維持するためには、老化や病気などに対する樹木の“定期健診”が必要ですが、樹木医などの専門家は不足し、人件費も高騰していおり、十分な管理体制を維持するのが難しくなっています。
そこで三井住友建設は樹木管理の効率化を行うため、
ナ、ナ、ナ、ナント、
AIで樹木を診断
するシステム「tree AI」の開発に着手したのです。(三井住友建設のプレスリリースはこちら)
現在、樹木の診断は樹木医などの専門家が目視で行っていますが、このシステムは樹木を写真撮影し、AI(人工知能)の画像解析によって倒木などの恐れがある危険木をリストアップする「スクリーニング」を行います。
診断本数が多くて手間のかかる初期診断をAIに任せることで、だれでも危険木のスクリーニング作業が行えるので、より多くの樹木診断が可能になります。
スクリーニングで危険木と判定された場合は、樹木医などの専門家が精密診断を行い、異常が確認された場合は手入れや伐採などの処置を行います。
貴重な樹木医のリソースを、専門性の高い精密診断に集中させることで、診断の量・質ともにアップが期待できますね。
診断データはデジタル化された樹木管理台帳に蓄積し、樹木の位置情報や過去の診断結果、手入れの履歴などの情報を
リアルタイムで管理
し、正確なデータに基づいた最適な管理計画の立案が可能です。
このシステム開発は、同社が「新たな収益源の創出」「社員が挑戦する場の提供」を目的に行っている、社内アイデア公募制度(通称:Plus One Challenge)の1回目となる2023年度の最終選考を通過したもので、現在事業化に向けて検討を進めています。
今後は茨城県の協力を得て、AIと専門家による診断結果の比較を行い、システムの精度や有効性を検証する実証試験を実施し、早期の事業化を目指すとのことです。
三井住友建設の社員のチャレンジを、応援したいですね。