竹中、鹿島、アクティオがハンドパレットをロボットに”魔改造”! BIMデータで所定場所まで自動搬送
2024年12月24日

管理人のイエイリです。

工事現場で数百kgから数tonも資材を、人力で移動させるときに便利なのが、ハンドパレットという運搬機器です。

フォークリフトのような爪がついており、これをパレットの下に差し込んで持ち上げ、手動で引っ張って運ぶものです。

ハンドパレットの外観(左)と運搬時の様子(右)(写真:アクティオ)

ハンドパレットの外観(左)と運搬時の様子(右)(写真:アクティオ)

荷物を運ぶ時は、手動の油圧ポンプを操作し、フォーク先端の車輪とハンドル側のジャッキによってフォーク全体を持ち上げます。

ハンドパレットの仕組み。積み込み・荷下ろし時はフォークを低くし、運搬時は油圧ジャッキでフォークを持ち上げる(資料:家入龍太)

ハンドパレットの仕組み。積み込み・荷下ろし時はフォークを低くし、運搬時は油圧ジャッキでフォークを持ち上げる(資料:家入龍太)

これまでは職人さんが作業の合間に、これを手で引っ張って資材を仕事場に運んでいましたが、人手不足の昨今、こうした“雑用”はなるべく減らしたいですね。

そこで竹中工務店鹿島アクティオの3社は、このハンドパレットをもとに、

ナ、ナ、ナ、ナント、

資機材自動搬送ロボット

を開発したのです。(竹中工務店のプレスリリースはこちら

ハンドパレットをもとに開発した自動搬送ロボット(写真:竹中工務店)

ハンドパレットをもとに開発した自動搬送ロボット(写真:竹中工務店)

この資機材自動搬送ロボットは、長さ2386mm×幅988mm×高さ920mm、重さ660kgで、パレット、台車、ボード材などの資材を最大2t積んで、工事現場の各フロアの所定位置まで自律移動できます。

本体上部には2D LiDARを搭載しており、前方270度の範囲の物体を検知します。2D LiDARによって取得した点群データと、建物のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)データで作成した地図から、自己位置を推定しながら設定ルートを自律走行します。

搬送ルート走行時に事前取得した地図にない障害物などがあった場合には、自動で停止します。

またバーコードリーダーも搭載しており、パレットに張り付けた2次元コードを読み取り、位置を検出します。

自動搬送には竹中工務店が開発した「建設ロボットプラットフォーム(RPF)」と、鹿島が開発した「自動搬送管理システム(JHSアプリ)」を使用し、工事用エレベーターと連携させました。

自動搬送の仕組み(資料:竹中工務店)

自動搬送の仕組み(資料:竹中工務店)

このロボットは、2024年7月に大阪市内の建設現場で、

実際に自動搬送

できることを確認しました。

今後は2025年4月までに、国内の建設現場で本ロボットの試行を重ね、実用化を図る予定です。

さらに、建設RXコンソーシアムの「資材の自動搬送システム分科会」の活動を通じて改良・開発を進め、適用現場数の拡大を目指します。

このロボットが商品化した際のレンタル窓口はアクティオが担当します。

建設現場では、人力で動かす様々な道具が使われていますが、それを“魔改造”によってロボット化することで、省人化や施工のオートメーション化に大きく役立ちそうですね。

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