管理人のイエイリです。
フライトシミュレーターや建設機械シミュレーターなどのコンピューターゲームでは、手で握りながら弾丸を発射したり視点を変えたりと様々な操作ができる「ジョイスティック」と呼ばれるコントローラーがよく使われます。
当サイトでも、2024年9月に大阪、12月に東京で開催されたJAPAN BUILD「建設DX展」に、「バーチャル建機教習所」というオモシロ企画を出展しましたが、お借りしたフォーラムエイトの建機シミュレーターには、油圧ショベルの各部を本物同様に動かすため、2本のジョイスティックが採用されていました。(詳しくは、2024年8月27日の当ブログ参照)
そんな中、川崎重工業は新型の電気リモートコントロールユニット「ERUHV」の量産を2024年12月に開始しました。
ついに、川崎重工がゲーム分野に進出したのかと思いきや、この電気ハンドルは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
実物の建機に搭載
するための“質実剛健”な装置だったのです。(川崎重工のプレスリリースはこちら)
この製品が登場した背景には、油圧ショベルなどの建機の多機能化が進んできたことです。様々な機能を制御するために、ハンドルに必要なスイッチ数は増加傾向にあります。
そこでこの製品は、握りやすいシンプルな形状を維持しつつ、サイズは最小限にとどめて数多くのスイッチを搭載しました。
確かに最近の建機は、バケットが旋回する「チルトローター」や、アタッチメントを簡単に交換できる「油圧カプラー」など、従来の掘削動作以外の動きをするものが増えているので、これらをハンドルを握ったまま操作したいですよね。
本物の建機に使われるだけあって、電装部は保護等級「IP67」の防水・防塵性能があり、過酷な環境下での使用に耐えるようになっています。
また、使用頻度の高い比例スイッチには、非接触式の角度センサーを採用し、耐久性を確保しました。
このほか、ボディ構造の見直しによる強度の向上を図り、ハンドル表面に柔らかい触感のソフトフィール塗装を施して傷の防止や滑り止め効果を高めるなど、建機のプロが求める“タフな仕様”を追求しました。
様々なニーズに対応するため、「比例スイッチ1個」タイプや「比例スイッチ3個」タイプと、
複数のスイッチレイアウト
も用意しています。
最近行われた建機の遠隔操作競技会「e建機チャレンジ 2024」では、丸磯建設チームが優勝しましたが、プロゲーマーである「Sengoku Gaming」が第二位に入賞するなど、ゲーマーの活躍が目立ちます。
建機コントローラーがゲームマシン化する中、プロゲーマーが新たなキャリアとしてとして、建機オペレーターを選ぶ可能性も期待したいですね。