管理人のイエイリです。
ChatGPTなどの生成AI(人工知能)は、専門的なことを調べたり、文章をまとめたり、イメージ画像を作ったりと、知的労働者の“子分”として、生産性向上や働き方改革に大きく貢献し始めました。
そんな中、株式会社ACIMUS(本社:東京都千代田区)は、対話型生成AIを使った建築デザインツール「ACIMUS」を開発しており、近くリリースすることになりました。
建築設計者はChatGPTのようにメッセージで指示したり、答えたりするだけで、
ナ、ナ、ナ、ナント、
建築3Dモデルを自動作成
してくれるのです。(ACIMUSのプレスリリースはこちら)
これまでも「Midjourney」や「Stable Diffusion」など、プロンプトから建築デザインの画像を作ってくれるサービスはありました。
ACIMUSが建築設計者にとって実用的なのは、階高や柱の位置、手すりの高さなどの1mm単位の寸法で指定した3Dモデルが作れることなのです。
また建築基準法も学習しているため、バルコニーに手すりを設置する時は法に基づいて「高さ1100mm以上の高さで設置してよろしいですか」と、提案してくれたりします。
柱や壁などの建築要素だけでなく、椅子や机、ソファなどの家具やインテリアのパーツも装備しているので、完成後のレイアウトを想定した設計も可能です。
ACIMUSでは、家具や建具、設備などのメーカー向けに「スポンサープログラム」を用意しており、実際に販売されている製品の3Dモデルを、ACIMUS内で利用できるようにすることで、自社製品のPRや導入促進につなげることもできます。
作成した3D建築モデルは、3DCADやBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)、2D図面などの形式で出力できるようにする予定で、次工程の詳細設計などに引き継げます。
同社によると、生成AIを活用してチャットベースで建築3Dモデルを作成できるサービスは、
業界初
の試みです。
ACIMUSは2025年2月ごろをめどにβ版をリリースする予定で、現在、β版無料トライアルへの参加企業を募集しています。詳しくはトライアルの申し込みフォーム(https://www.acimus.com/beta-trial)をご覧ください。
これまでのBIMモデルは、設計者が建物の寸法や仕様を指定し、それをデータ化するための3Dモデルを一つ一つ、手作業で作ってきました。生成AIが3Dモデルを作ってくれるようになると、設計者には“口先建築家”、もとい「プロンプト・アーキテクト」としての新たな道も開けてきそうですね。