建ロボテックと清水建設が鉄筋結束機を“棒”で遠隔操作化! 立ったまま床スラブをラクラク施工
2024年12月2日

管理人のイエイリです。

橋梁の床版や工場の床などの施工では、縦横に延々と広がる鉄筋の交差部分を一つひとつ、焼きなまし鉄線で結束する作業があります。

作業者は足元の鉄筋を結束するため、長時間にわたって腰をかがめた姿勢で作業する必要があるため、足や腰、腕などに大きな負担がかかっていました。

この作業負担を軽減するため、建ロボテック(本社:香川県三木町)と清水建設は、「鉄筋結束アシスト装置」を開発しました。

「鉄筋結束アシスト装置」による床スラブ配筋の結束作業(以下の写真、資料:建ロボテック)

「鉄筋結束アシスト装置」による床スラブ配筋の結束作業(以下の写真、資料:建ロボテック)

既存の鉄筋結束機に、棒のようなハンドルを取りつけ、

ナ、ナ、ナ、ナント、

立ったまま“遠隔操作”

ができる装置なのです。(建ロボテックのプレスリリースはこちら

鉄筋結束アシスト装置の構成

鉄筋結束アシスト装置の構成

この装置の先端には、手持ち式の鉄筋結束機を着脱できる延長ハンドルが付いており、装置を楽に支えるための腰ベルトや肩ベルト、バネ機構などが一体化されています。

鉄筋結束機の着脱は、着脱機構のカバーを開き結束機をはめ込むだけです。

使い方は簡単。結束する鉄筋交差部の直上から、ハンドルを下方に押し込むだけです。すると結束機のトリガーが引かれ、結束線が鉄筋を結びます。

この装置を使うと腰を曲げずに床スラブの鉄筋結束作業が行えるほか、腰や肩に装着したベルトによって装置を体全体で支えられるので、作業者の身体的負荷は大幅に軽減されます。

また、装置に内蔵された

スプリング機構

により、装置の持ち運びや操作時に腕にかかる負荷も減るため、生産性向上も期待できます。

青い部分がスプリング機構。装置の持ち運びや操作の際、腕にかかる負担を減らす

青い部分がスプリング機構。装置の持ち運びや操作の際、腕にかかる負担を減らす

鉄筋結束機に限らず、電動式のドリルドライバー、グラインダーなどの電動工具は、作業者が手に持って施工する場所に“タッチ”する必要があるので、時にはムリな姿勢になることもありました。

そこに棒のような延長部材を活用すると、作業者は楽な姿勢のまま、電動工具だけを作業場所に近づけて操作できます。海外のYouTube動画などを見ていると、時々、こうしたお手軽な装置を見かけるので参考になります。

施工の生産性向上というとロボットを思い浮かべがちですが、ちょっとした治具の工夫やアイデアなども積極的に活用していきたいですね。

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