アクティオがクレーン用の新型巻き過ぎ防止装置を開発! ワイヤ破断事故を二重に防止
2025年2月20日

管理人のイエイリです。

工事現場でクレーンを操作するとき、ブームが構造物などにぶつからないようにするのはもちろんですが、もう一つ、気を付けないといけないことがあります。

それはブームの伸縮によってワイヤーが巻き過ぎとなり、破断する事故です。

クレーンには「過巻き防止装置」が付いているものの、地下鉄の工事現場などでは作業性を優先するために装置を解除して使用することも多いそうです。

その結果、ワイヤーを巻き上げたままブームを伸ばすことで、地下鉄工事などでは、こうした事故が多く発生しているとのことです。

伸縮式ブームを備えたクレーン例。フックが上昇している状態でブームを伸ばすとワイヤーの破断事故などにつながる(以下の資料:アクティオ)

伸縮式ブームを備えたクレーン例。フックが上昇している状態でブームを伸ばすとワイヤーの破断事故などにつながる(以下の資料:アクティオ)

こうした事故を防ごうと、アクティオ(本社:東京都中央区)と前田製作所(本社:長野県長野市)は、新型の巻き上げ防止センサー「巻き上げワイヤー破断防止装置」を開発し、装置付きのクローラークレーンのレンタル(※)を2025年2月13日に開始しました。(※対応機種はCC1485S-1 / CC1485S-3 / CC985S-3)

従来の過巻き防止装置とは別に、

ナ、ナ、ナ、ナント、

超音波センサー

でブーム先端にフックが接近するのを検知し、ブーム操作を自動停止するものです。(アクティオのプレスリリースはこちら

ブームがどんな角度でも超音波センサーによって過巻きによるワイヤー破断事故を防止する

ブームがどんな角度でも超音波センサーによって過巻きによるワイヤー破断事故を防止する

この装置はブーム先端の右側面に超音波センサーを3個設置し、既存の過巻き防止装置とは独立してフックの接近を検出するものです。

既存の過巻き検出器はブーム先端から400mmで検知しますが、今回の超音波センサーは350mmで検知します。

そのため、過巻き検出器が先にフック接近を感知してブーム操作を停止しますが、万一、過巻き検出器が作動しない場合は超音波センサーが動作し、ブームやウインチの操作を停止させます。

ブーム先端には3つの超音波センサーが搭載されているため、ブームの角度が変わってもフックの接近を検出できる

ブーム先端には3つの超音波センサーが搭載されているため、ブームの角度が変わってもフックの接近を検出できる

従来の過巻き防止装置と、今回開発のワイヤー破断防止を両方、備えておくことで、

2重の安全システム

が作動することになり、クレーン作業の事故防止に役立ちます。

なお、超音波センサーの検出距離は30~1000mmの間で調整可能となっています。地下鉄工事など上方向のスペースが限られているギリギリの状況でも、安全にクレーン作業を行うことができそうですね。

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