管理人のイエイリです。
日本政府は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言したのに続き、2021年10月に「都市の木造化推進法」を施行するなど、脱炭素社会の実現に向けて住宅分野だけでなく、非住宅分野においても木材利用を推進しています。
2025年4月に開幕した大阪・関西万博(Expo2025)の会場に建設された巨大な木造のリングも、その象徴的なプロジェクトとして国際的メッセージを発信するものです。

大阪・関西万博の会場に建設された巨大な木造リング(写真:家入龍太)
そんな中、大和ハウス工業は2025年4月に非住宅分野における木造建築を推進する「Future with Wood推進部」を立ち上げたほか、木造の商業施設や事業施設の設計業務にBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用を本格化することになりました。

木造の商業施設や事業施設の設計にBIMを活用するイメージ(以下の写真、資料:大和ハウス工業)
木造建築の設計にBIMを使うだけでなく、
ナ、ナ、ナ、ナント、
構造部材を自動配置
するなど、設計のオートメーション化も行うのです。(大和ハウス工業のプレスリリースはこちら)

躯体のBIMモデルから柱や梁を自動配置するイメージ

構造部材を自動配置するためのパラメーター設定画面
設計のオートメーション化は、大和ハウス工業が開発したBIM支援ツール「D-Rex」と、応用技術(本社:大阪市北区)がBIMソフト「Revit」用に開発した拡張ツール「BooT.one」を連携して実現しました。
大和ハウス工業が蓄積してきたBIMデータと、応用技術の木造建築向け設計プロセスを組み合わせることで、木造建築の詳細設計や情報管理を効率化し、設計者が短時間で高精度な設計を可能にする環境を構築します。
構造以外のオートメーション化としては、建設資材の積算や省エネ効果の試算、施工シミュレーション、そして
耐火被覆の自動配置
などもあります。

木造部材の耐火被覆を自動配置するイメージ

耐火被覆の自動配置用画面
2026年春には国土交通省が建築確認申請をデジタル化する「BIM図面審査」が始まる予定で、商業施設などの木造化やBIM化にますます拍車がかかりそうですね。