HPが墨出しロボ「SitePrint」を発売! 1人で1時間300平米を作業でき、生産性は10倍に
2025年5月16日

管理人のイエイリです。

米国のHP(本社:カリフォルニア州パロアルト)と言えば、家庭用から業務用まで、インクジェットプリンターの幅広いラインアップを誇るメーカーとして知られています。

建築の関連製品としては、建物の壁紙や外装材、屋外の垂れ幕などを印刷する大型のラテックスプリンターなどもあります。

そのラインアップがさらに建設分野向けに拡張されました。

同社と日本HP(本社:東京都港区)は2025年5月15日、「HP SitePrint」(以下、SitePrint)という新製品を日本で販売開始することを発表したのです。

「HP SitePrint」の外観(特記以外の写真:日本HP)

「HP SitePrint」の外観(特記以外の写真:日本HP)

大きなタイヤと前輪が付いているため、家庭用の掃除機のような外観ですが、その中身は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

墨出しロボット

なのです。(日本HPのプレスリリースはこちら

タイヤで現場を走行しながら、高速で墨出しを行える

タイヤで現場を走行しながら、高速で墨出しを行える

つまり、現場を走行しながら実寸大の図面を床に描く“走るインクジェットプリンター”というわけです。

各社の自動追尾式トータルステーションなどと連携して現場内の位置を精密に把握しながら、高速で墨出し作業を行います。

墨出し用のデータは、CADやBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の2D図面をDXF形式で、HPのクラウドサーバー経由で墨出しロボットに送ります。

携する測量機器の例。左からライカジオシステムズ、トプコン、ニコン・トリンブルの測量機器。2025年4月現在の対応機種はLeica TS16、Leica TS60、Leica iCR80、Leica iCR70、Trimble RTS573、Trimble S9、Topcon LN-150、Topcon GT600/1200

携する測量機器の例。左からライカジオシステムズ、トプコン、ニコン・トリンブルの測量機器。2025年4月現在の対応機種はLeica TS16、Leica TS60、Leica iCR80、Leica iCR70、Trimble RTS573、Trimble S9、Topcon LN-150、Topcon GT600/1200

CAD図面のデータは、クラウドサーバー経由でロボットに送られ、測量機器と連携して墨出し作業を行う(資料:トプコンソキアポジショニングジャパン)

CAD図面のデータは、クラウドサーバー経由でロボットに送られ、測量機器と連携して墨出し作業を行う(資料:トプコンソキアポジショニングジャパン)

CAD図面と同様に実線や破線、曲線、文字なども自由自在に描くことができ、インクカートリッジを交換すると線の色も変えられます。

また、ちょっとした段差があっても乗り越えて作図し、前後左右に備えてセンサーで障害物との衝突を防止します。

CADソフトと同様な作図ができる

CADソフトと同様な作図ができる

段差を乗り越えながらの作図も可能。墨出しロボットの前後左右に見えるうすい赤色の点は衝突防止用のセンサー光

段差を乗り越えながらの作図も可能。墨出しロボットの前後左右に見えるうすい赤色の点は衝突防止用のセンサー光

HPによると、SitePrintによる墨出し作業の生産性は、

手作業の約10倍

にも上ります。

例えば、従来の方法で2人1組で墨出しを行うと、こなせる面積は1時間あたり25~35m2が一般的ですが、HP SitePrintを使うと1人の作業員で1時間あたり180~300m2にもなるとのことです。

SitePrintのセット内容。運搬用のケースにロボット本体や付属品一式が収められる

SitePrintのセット内容。運搬用のケースにロボット本体や付属品一式が収められる

日本での販売は、トプコンソキアポジショニングジャパンニコン・トリンブルが正規販売パートナーとして担当します。料金は過酷な条件の現場で使用する製品のため、修理やサポート、インク代を含めた包括的なサポート契約に基づく「従量課金モデル」を採用しているとのことです。

これだけ手厚いサポートがあれば、現場導入のハードルも下がるでしょう。ここから現場のオートメーション化に挑戦してみるのもいいかもしれません。

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