管理人のイエイリです。
天然素材の活用や脱炭素社会の実現に力を入れている住宅会社、Lib Work(本社:熊本県山鹿市)は2025年7月22日に、土を主原料とした新型住宅「Lib Earth House model B」(約100m2)を熊本県山鹿市鹿央町に完成させました。
壁の材料には、土や砂を約65%使い、これに消石灰や自然繊維を配合しました。その結果、製造時のCO2排出量をRC造に比べて約50.2%も削減しました。
材料は土が主原料ですが、その建設は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
建設用3Dプリンター
で行ったのです。(Lib Workのプレスリリースはこちら)
同社の調べでは、土を主原料とした100m2級の3Dプリンター住宅は、日本初となります。
施工手順はまず、現場に平らな基礎を構築し、その上にイタリア・WASP社製の3Dプリンターを設置して土壁を造形していきます。土壁の内部は細かく仕切られており、空洞が多く設けられています。
その後、3Dプリンターを撤去して空洞部に主構造となる木材架構を構築し、一般的な内装工事を行って完成です。
同社が2024年に建設した前タイプの「Lib Earth House model A」は、材料の一部にセメントを使っていました。今回のmodel Bはセメントを一切使っていないにもかかわらず、強度は約5倍に向上し、製造プロセスでのCO2負荷も大幅に減らしました。この材料開発のノウハウは特許出願中とのことです。
さらに最新技術も積極的に取り入れています。例えば、壁の中にはセンサーを埋設し、壁内部の温湿度をリアルタイムで計測する「壁内結露監視システム」を導入しました。
屋根には太陽光発電パネルを載せ、テスラ社の蓄電池「Powerwall」と組み合わせてオフグリッドシステムを構築。電力の自給自足も可能です。
またIoT(モノのインターネット)設備を標準装備し、エアコンや照明、浴室の設備をスマートフォンや専用モニターで遠隔操作できます。玄関ドアには顔認証システムも導入しています。
同社は今後、住宅の
設計段階に生成AI
を導入し、世界初の「フルオートビルド」(完全自動住宅建設)の実現を目指します。(Lib Workのプレスリリースはこちら)
AIによる住宅設計システムは、先進的な生成AI技術を持つMaket Technologies Inc.(本社:カナダ・モントリオール)と連携して進めています。
今回、完成した「Lib Earth House model B」は、2025年8月から販売予約を開始し、2026年1月から受注を開始する予定です。
3Dプリンターという最新技術によって、日本古来の住宅素材である土が復活し、建設業の人手不足解決やCO2排出量削減まで実現するというLib Workの野心的な取り組みには、思わずうならされました。
























