管理人のイエイリです。
スマートフォンや手持ち式LiDARによる点群活用は、ここ数年でかなり広がってきました。とはいえ、計測できる範囲は現場の一部に限られます。道路や街区全体をまとめて3次元で計測しようとすると、どうしてもかなりの人手と時間がかかってしまいます。
その一方で、車載型モービルマッピングシステム(MMS)は、広い範囲を効率よく計測できる便利な機器ですが、価格は数千万円クラスが当たり前でした。このため、「便利そうだけど高すぎる」「自分たちの街をちょっと測るには現実的ではない」と感じていた方も多かったのではないでしょうか。
そんな常識を変えてくれそうなのが、マプリィ(本社:兵庫県丹波市)です。
同社は、車載型モービルマッピングシステム(MMS)「mapry M2」を
ナ、ナ、ナ、ナント、
100万円(税別)に値下げ
したのです。(マプリィのプレスリリースはこちら)
この価格改定によって、これまで建設コンサルタントや建設会社にとって“高嶺の花”だった車載型MMSが、一気に身近な存在になってきました。
しかも、この製品は安さだけが売りではありません。
「mapry M2」は一般車両の屋根に載せて走行しながら3D点群データを取得し、そのデータを独自解析ソフト「mapry Windows版」で処理する仕組みです。
その結果、30~40km/hで走行した場合の絶対精度は、水平・鉛直ともに±50mm程度、40~50km/hでは同±100mm程度という検証結果が示されています。
【詳細な実証データ(抜粋)】
| 走行環境 | 走行速度 | 水平誤差(平均) | 標高誤差(平均) |
|---|---|---|---|
| 一般道路(短距離) | 0~30km/h | 29 mm | 33 mm |
| 一般道路(短距離) | 40~60km/h | 71 mm | 43 mm |
| 悪路・未舗装(短距離) | 30km/h | 48 mm | 21 mm |
| 一般道路(長距離 10~25km) | 30~50km/h | 84 mm | 37 mm |
さらに同社は、「mapry M2」で取得したデータを汎用の外部システムと「mapry Windows版」の双方で処理し、数千万円クラスのハイエンド業務用MMSのデータとも比較しました。
その結果、汎用システムではGNSS解析にズレが生じるケースがあった一方、「mapry Windows版」で処理した点群は、ハイエンドMMSの公称誤差範囲(RMS約25cm)に収まったとしています。
つまり、「mapry M2」は単に安い機械というだけではなく、取得後の解析も含めたシステム全体で、実務に使える精度を狙っているわけです。
そして、この精度がなかなかスゴいのです。
公共測量の
道路台帳レベルに対応
なのです。
できる可能性があるのです。
地図情報レベル1/500相当の道路台帳作成にも、十分活用できそうです。
建設DXの視点で見ると、これは「点群の大衆化」の次の一歩と言えるかもしれません。スマホや近距離LiDARによって現場の部分計測が広がった次は、道路や街区を“走って計測する”時代に入ってきたのです。
こうした低価格MMSが普及してくると、道路台帳の更新、インフラ巡回、工事前の現況把握、沿道資産の棚卸しといった業務でも、点群データをもっと日常的に使う流れが進みそうです。
マプリィによると、今後は取得した高精度な点群データを「道路台帳を自動生成するAI」の学習用データとして評価していくとのことです。点群を取るだけでなく、その先に道路台帳の自動更新まで見えてくるとしたら、これはなかなか夢のある話ですね。


















