管理人のイエイリです。
急いでいるときにトイレの個室に入ると、つい財布などを置き忘れてしまいがちです。
NEXCO中日本の管内では、2017年度にサービスエリア(SA)やパーキングエリア(SA)の係員に寄せられた落とし物や忘れ物の件数は年間約2万件にものぼり、トイレの個室での忘れ物も多く含まれています。
そこで同社のグループ会社である中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋(本社:名古屋市中区)は、トイレのシステム開発会社、木村技研(本社:東京都世田谷区)と共同で、画期的なトイレを開発しました。
財布などを置いたまま個室を出ようとすると、トイレの天井から
ナ、ナ、ナ、ナント、
忘れ物はありませんか
とお声がけしてくれるものなのです。
といっても、監視カメラで個室内をのぞいているわけではありません。天井に設置した「アウトラインセンサー」が個室内の人や物の動きを「シルエット」として認識しているのです。
もし、退室時に一定以上の大きさ(10cm×5cm程度)のものが残っていた場合には、AI(人工知能)が使用前後のアウトライン(輪郭)画像を比較して、瞬時に「忘れ物」と判定。センサー内蔵のお知らせスピーカーがお声がけしてくれるのです。
センサーには検知に必要な明るさを確保するためのLED照明なども一体化されています。
このセンサーにはもう一つ、重要な機能も備えています。それは
トイレ内の急病人を発見
する機能です。
トイレの使用中に急病などで人の動きが全くなくなると、アウトラインセンサーが「倒れ込み」と判定し、センサー内蔵の黄色いLED照明が点灯し、周囲の人に知らせるという仕組みです。
NEXCO中日本ではこのセンサーをC3 東海環状自動車道の鞍ヶ池パーキングエリア(内回り)の男子トイレ2カ所に設置したところ、忘れ物をすべて発見できたそうです。
一方、トイレットペーパーのカスなどを忘れ物と判定したこともあったので、AI分析の精度向上を図っていきます。幸い、急病人は発生しませんでした。
NEXCO中日本では、今後も同PAでの試行検証を引き続き行い、忘れ物を知らせる専用モニターや音声案内装置を今年度中に開発。来年度から忘れ物が多いSAやPAなどに導入していく予定です。
私のようなそそっかしい人には、大変助かる装置ですね。本格的な設置が期待されます。