管理人のイエイリです。
iPadやAndroid端末で3Dモデルを閲覧したり、ウオークスルーしたりできるソフトがこのところ、どんどん公開されています。
当コーナーでも、メガソフトの「3Dプレイス」、グラフィソフトジャパンの「BIMx」、オートデスクの「Design Review Mobile」と、紹介してきましたが、さらに10月3日、ラティス・テクノロジーが「iXVL View」を無償公開しました。
「iXVL View」は3Dモデルデータ「XVL」形式をiPad上で見られるソフトで、XVLファイルを読み込み、2本の指を使って回転やパン、ズーム、移動などを行いながらいろいろな位置、角度から3Dモデルを閲覧できます。「App Store」から、無料でダウンロードできます。
ラティス・テクノロジーが無償公開した「iXVL View」(写真:家入龍太。以下同じ) |
XVL形式の強みは、何と言っても“超軽量”ということです。iPad2では15MB程度のXVLデータを読み込めることを確認していますが、
ナ、ナ、ナ、ナント、
1GBの3次元CADデータ
に相当するほどの3Dモデルを閲覧できるのです。
同社では「ウオークスルーはできない」と言っていますが、2本指を使って拡大・縮小するように操作すれば、空間内を自由に移動できます。ちょっと操作が直感的ではありませんが、ウオークスルーみたいなことが可能です。
和室に入ってみたところ |
サンプルデータは、上記の家と扇風機の3Dモデルが付属しています。これ以外のXVLファイル(.xv2形式)を見たいときは、
iTunes経由でデータ
を送り込む必要があります。
私のようにiPhoneを既に同期して使っている人には、iTunesの別アカウントを作って切り替えるなどしなければいけませんので、ちょっと面倒かもしれませんね。
iTunes経由でXVLファイルを読み込む方法(資料:ラティステクノロジー) |
XVL形式は自動車メーカーや造船会社など、製造業の設計や作業指示などに使われてきました。2万~3万点の部品からなる自動車8台分の3Dモデルを同時にパソコン上で扱えるほど、軽量なのが特徴です。
さらにBIMモデルのように各部材の「属性情報」も扱えますので、BIMによる設計、施工、維持管理にもピッタリです。
BIMソフトでは福井コンピュータの「GLOOBE」がXVLに対応しているほか、シスプロも10月3日に設備設計用3次元CAD「DesignDraft」や3次元CAD「Microstation」のアドオンソフトとして、DGN形式をXVL形式に変換する「DGN-XVL Converter」を発売しました。
iPadやAndroid端末で3Dモデルデータが手軽に閲覧できるようになったことで、営業やプレゼン、施主を巻き込んだBIMのワークフローも変わっていきそうですね。
私のiPad2の画面上に並んだ各社の3Dモデルビューワー。左からメガソフトの「3D家ビューア」、グラフィソフトジャパンの「BIMx」、オートデスクの「Design Review Mobile」、ラティス・テクノロジーの「iXVL View」 |