管理人のイエイリです。
3Dプリンターでコンクリート構造物を造る技術が、世界中で急速な進化を遂げています。
特にオランダは、政府がこの技術を支援していることもあり、有力な企業が続々と誕生しています。
同国のエンスヘデーにあるトゥエンテ・アディティブ・マニファクチャリング(Twente Additive Manufacturing B.V.。以下、トゥエンテAM)は、2019年11月にドバイで開催された建設イベント「ザ・ビッグ5」で、画期的な3Dプリンターをお披露目しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
橋のワンスパンを丸ごと
造形できるのです。(トゥエンテAMのニュースリリースはこちら)
この3Dプリンターは、上下するレール上を移動するロボットアームの先端にノズルを付けた構造になっており、8m×5m×5mの大きさの構造物を造形できます。
水平、回転と可動部分が非常に多く、一説では「9軸」とも言われています。
通常の3Dプリンターは同じ高さの断面に、少しずつ材料を水平に積み上げて造形していきますが、この3Dプリンターは
斜め上方向に造形
していけるのです。
トゥエンテAMはLinkedInの投稿で、造形過程の動画を公開していますので、興味のある方はご覧ください。
また、同社のYouTubeチャンネルでは、ローマの水道橋のように、高い橋脚を持つ橋も一気に造形している動画が見られます。
造形された橋の内部は、空洞になっています。これを「打ち込み型枠」として利用し、鉄筋をプレハブ化して挿入し、普通のコンクリートを打設すれば、ちゃんと荷重を支えられる橋になりそうです。
または、大林組が開発した「スリムクリート」のように、引っ張り強度や曲げ強度を持つコンクリートを打設すれば、鉄筋不要でスピーディーな施工ができそうですね。