管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)による設計では、施主との打ち合わせでパソコンやプロジェクターを使って建物の設計内容を分かりやすく説明できるのがメリットです。
竹中工務店は、BIMの分かりやすさを使って、マンション購入者に完成後の建物内部を確認してもらえるバーチャルリアリティー(VR)システムを開発しました。
建物のBIMモデルをドーム型ビジュアルシミュレータ「visiMax(ビジマックス)」に投映し、設計段階に、
ナ、ナ、ナ、ナント、
顧客自身が建物内を移動
しながら、柱や梁の形状、壁や床の材質や色などを確認できるのです。
BIMの建物内を顧客自身が移動して確認できるシミュレーションシステム(写真:竹中工務店) |
BIMモデルとvisiMaxを利用することで、まるで完成後の建物内部に入っているような感覚を体験できます。
visiMaxはオフィスやショールーム、モデルルームなどに簡単に設置できるドーム型スクリーンで、中にいる人の視野を十分覆えるほどの高解像度映像として映し出す機能を持っています。開発されたのは意外に古く、2001年です。
当初は画像データを投影する使い方を想定していましたが、今回、BIMモデルも数日~10日程度の調整を加えることで投影できるようになりました。
天井の高さや空間の広がり、室内の奥行き感などを立体感あふれる疑似空間として、5人程度が同時に見られるようになっています。こうしたリアルな体験は、パソコンのモニターやプロジェクターではなかなかできませんね。
建物が完成する前に、細部まで顧客に確認してもらい、イメージに合わない場合には要望通りにカスタマイズするという、顧客満足度の高いサービスを提供できます。
こうしたシステムが普及すると、マンションも家電製品やクルマなどと同様に、
完成品を見てから買う
という時代になるかもしれませんね。
また、作り付けの家具やホームシアター装置、グレードの高いキッチンなどのオプションBIMモデルをいろいろ用意しておくと、幅広い製品をカタログ販売のように売ることもできそうです。