管理人のイエイリです。
工事現場などの連絡に使われているアナログ式のトランシーバーは、工事関係者の間で一斉連絡するのに便利な半面、電波の届く範囲が短く、別のグループと混信したり、誰かが話している間は別の人は使えなかったりという不便もありました。
そこで通信機器メーカーのアイコムは、こうした不便を解消するため、
ナ、ナ、ナ、ナント、
Wi-Fiの電波で交信
する無線LANトランシーバー「IP100H」を開発。2013年11月に発売しました。
一般のタブレット端末やノートパソコンと同様に、Wi-Fiのアクセスポイントに各トランシーバーがインターネットプロトコル(IP)によってつながり、交信する仕組みです。アクセスポイントには、同社の専用のもの(IP100C)を使います。
IPならではのクリアな音質で、電話のように同時に送受信できるほか、複数のグループ間で同時に交信できるといったアナログトランシーバーにはない機能もたくさんあります。
ビル工事などでは、各階にアクセスポイントを設けると、階をまたがって交信したり、アクセスポイントをインターネットでつなぐと離れた現場間で交信したりすることもできます。
ただ、課題は各アクセスポイントから半径150m程度しか電波が届かないことでした。
そこでアンテナ技術に強い日本電業工作は、同社の長距離無線LANシステム「FalconWAVE2.4G」をアイコムのアクセスポイントに接続することにより、
ナ、ナ、ナ、ナント、
半径1kmのエリアで交信
できるようにしたのです。(記者発表資料)
FalconWAVE2.4Gに使われているWi-Fi機器の消費電力はわずか2.5Wと、家庭用のWi-Fi機器よりも省エネタイプになっています。そのため、太陽光発電パネルを取り付ければ商用電源は不要です。
現場のWi-Fiがトランシーバーでの交信にも使えるとは意外な話でした。これからの現場では監視カメラや無人機(UAV)、各種センサーからの情報収集、そしてタブレット端末やトランシーバーなどの通信インフラとして、Wi-Fiは必需品になりそうですね。