Revit操作をAIに丸投げ! ArentのLightning BIM AI Agent
2026年3月5日

管理人のイエイリです。

BIMの設計現場でありがちなのは「設計そのものより、BIMソフトの繰り返し操作の時間が長い」という問題です。

BIMモデルや図面を作っていく過程では、寸法を入れたり、表示を切り替えたり、フィルタを作ったりといった操作が山ほどあります。

こうした作業は決して高度な設計判断ではなく、いわば「操作の繰り返し」。マウスを何度もクリックし、メニューを開いて設定を変える…という地道な作業です。

DynamoやAPIを使えば自動化もできますが、プログラミングの知識が必要で、誰でも簡単に使えるわけではありません。こうした作業、なんとかならないものかと思っている人も多いのではないでしょうか。

そんなお困りごとも、AIの進化で解決できるようになってきました。

Arent(東京都港区)が開発した「Lightning BIM AI Agent」は、BIMソフト「Revit」の繰り返し操作を、

ナ、ナ、ナ、ナント、

チャットで自動化

するツールなのです。(Arentのプレスリリースはこちら

例えば、チャット画面に 「現在のビューで壁カテゴリのタイプ別にフィルタを作成する。投影/サーフェスのパターンを塗りつぶしにし、色は壁タイプごとにランダムにする」と入力します。

するとAIが指示を理解し、Revitの操作を自動で実行。壁タイプごとに色分けされた表示が、画面上で一気に出来上がります。

右側のチャット窓に行いたい操作を自然言語で入力すると、AIが解釈して具体的な指示内容を示す(以下の資料:Arent)

右側のチャット窓に行いたい操作を自然言語で入力すると、AIが解釈して具体的な指示内容を示す(以下の資料:Arent)

指示を実行すると壁のタイプ別に自動的に塗分けされる

指示を実行すると壁のタイプ別に自動的に塗分けされる

これまでなら、フィルタ設定を開き、カテゴリを選び、条件を指定し、表示パターンを設定し…といった手順を踏む必要がありました。それが、自然言語の指示だけで実行されるわけです。

このLightning BIM AI Agentは、Revitの作業をAIエージェントが代行する仕組みになっています。ユーザーはチャット形式で操作内容を入力し、AIがそれを解析。RevitのAPIを通じて実際の操作を実行します。

実行モードは2種類あり、AIがすぐ操作を行う「Fastモード」と、まず手順を提示してユーザーが確認してから実行する「Planモード」が選べます。

これらの操作についての料金は「クレジット制」になっています。従来は月間最大200回までという利用制限がありました。

今回、アプリがアップデートされ、クレジット消費も見直されました。定型的作業を行う「高速モード」が従来の10分の1の10クレジット/回と月間の最大利用回数も大幅に増えました。

このほか複雑な指示を行う「プランモード」は100クレジット/回、履歴から同じ操作を実行する場合はわずか1クレジットで行えます。同じ手順の反復作業では、かなりコスパがよさそうです。

ビルの外構に規則的に樹木を配置した例。指示を実行する前にAIと手順を確認する

ビルの外構に規則的に樹木を配置した例。指示を実行する前にAIと手順を確認する

実行ボタンをクリックすると、樹木のBIMオブジェクトが自動配置された

実行ボタンをクリックすると、樹木のBIMオブジェクトが自動配置された

今回のアップデートではAI処理が大幅に改善され、従来比で最大5倍以上の速度を実現したとのことです。

また、これまで正確に実行できなかった操作も、改良の結果

70%以上も正確に

完了できるようになりました。

さらに今回のアップデートでは、寸法配置の自動化機能も追加されました。例えば「壁の間に寸法を入れて」と指示すると、AIが壁要素を取得し、参照位置を決め、Revitの寸法ツールを使って寸法線を配置します。

寸法線が入っていない躯体のBIMモデル

寸法線が入っていない躯体のBIMモデル

1回のコマンド実行で2160個の寸法線が自動生成された

1回のコマンド実行で2160個の寸法線が自動生成された

基礎部の拡大図。細かい寸法が入っているのがわかる

基礎部の拡大図。細かい寸法が入っているのがわかる

BIMの自動化といえば、これまではDynamoやプログラムが中心でした。しかし、Lightning BIM AI AgentのようなAIツールが広がると、「自然言語でBIMを操作する」という新しいスタイルが現実味を帯びてきます。

設計者は「何をしたいか」を考えるだけで、あとの細かなBIM操作はAIがやってくれる時代が、すぐそこまで来ているようです。

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