管理人のイエイリです。
今年9月26日~30日、48時間(学生は96時間)という短い時間で課題の建物を設計するBIM仮想コンペ「Build Live Chiba 2012」(以下、BLC2012)が開催されました。
その結果発表と表彰式が昨日(10/25)、東京・有明で開催された建築イベント「ArchiFuture2012」の中で盛大に行われました。
見事、最優秀賞の栄冠に輝いたのは、
大林組のチーム
「Chain-Diver」だったのです。
最優秀賞を受賞した大林組のチーム「Chain-Diver」の作品(資料:Build Live Chiba 2012公式ブログより) |
|
結果を発表する主催者、IAI日本の山極邦之さん(左)。表彰式で最優秀賞の賞状を受け取るチーム代表者(右)(写真:家入龍太。以下同じ) | |
満員御礼となった会場 |
大林組は今回、約10人という小規模なチームで参加し、しかも意匠設計だけに絞りました。今回、最優秀賞を受賞した理由は、コンピューターを使ってオープンオフィスやクローズオフィス、休憩室などの各部屋の最適な配置を決める手法を使ったことにありました。
部屋の配置をルールとして定義し、「発見的探索法」というアルゴリズムを組み、P(計画)→D(実施)→C(確認)→A(処置)というPDCAのループを数万回も回して各室の関係や動線が最適になるようにしたのです。
しかし、コンピューターは大きな部屋をドカンと置いてその周りに小さな部屋を配置するような案を出してきました。そこで設計者の感覚と合うような案を出すように、コンピューターと「対話」しながら最適解を求める過程は楽しかったそうです。
BLC2012で作業中のチームChain-Diverメンバー(左)。最適な部屋の配置を求めるアルゴリズム(右) |
優秀賞にはゼロエネルギービルを追求した前田建設工業のチーム「スカンクワークス」と芝浦工業大学のチーム「Cicadas」が選ばれました。
優秀賞を受賞した前田建設工業のチーム「スカンクワークス」の作品(資料:Build Live Chiba 2012公式ブログより) | |
優秀賞を受賞した芝浦工業大学のチーム「Cicadas」の作品(資料:Build Live Chiba 2012公式ブログより) |
そして、今回の表彰式でひときわ大きな拍手が起こったのは、「BIM新人賞」の発表の時でした。
受賞者は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
大阪市立都島工業高校
のチーム「よんすけ」だったのです。高校生として初めて「Build Live」にチャレンジしたことが高く評価されました。作品もかなりハイレベルなものでした。
BIM新人賞を受賞した大阪市立都島工業高校のチーム「よんすけ」の作品(資料:Build Live Chiba 2012公式ブログより) |
このほかの参加チームには、部門賞などが贈られました。昨年までと違い、意匠・設備・構造の設計や施工計画などをすべてBIMで行う「フルBIM」を追求するチームはなくなりましたが、各チームはそれぞれ新しいBIMの可能性を求めてチャレンジした取り組みが印象的でした。
小さなチームでもチャレンジしやすくなったとも言えそうです。来年以降のBuild Liveがますます楽しみになってきました。