管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)は、建物や構造物の「3次元形状」と、各部材の仕様や管理情報などの「属性情報」を1つにまとめて扱うことで、設計や施工の業務を効率化します。
一方、属性情報を更新する場合には、BIM/CIMソフトを通して行う必要があるので、属性情報だけを変更したいときにはかえって手間がかかったり、作業ができる人が限られたりするという問題もありました。
そこで伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、属性情報を抜き出して表計算ソフト「エクセル」で作成・管理し、BIM/CIMモデルと一体管理できる3次元属性管理ツール「Navis+」を9月17日に発売することになりました。
このツールを使うと、
ナ、ナ、ナ、ナント、
AutoCADやSketchUp
などで作った3Dモデルとエクセルがあれば、BIM/CIMモデルとして様々な用途に使えるのです。
3次元属性管理ツール「Navis+」の仕組み(資料:伊藤忠テクノソリューションズ。以下同じ) |
3次元属性管理ツール「Navis+」の画面例 |
使用イメージですが、まず、AutoCADやSketchUpなどで作った3Dモデルを、オートデスクの「Navisworks」に読み込みます。そして属性リストをエクセル形式で取り出し、各部材の属性情報を入力します。
そのデータを再度、Navisworksに読み込むことで、属性情報付きの3Dモデルとして施工シミュレーションや可視化、検索、数量計算などに使えるという仕組みです。
通常のBIM/CIMソフトは、3Dモデルのファイルの中に属性情報を格納するようになっていますが、Navis+は3Dモデルの各オブジェクト(部材)のIDをキーとしてエクセルの属性情報とひも付けて、Navisworks上で連動させているのが特徴です。
また、IFC形式にも対応できますので、BIM/CIMソフトで作った3Dモデルをこのシステムに引き継いで使うことも可能です。
普通のBIM/CIMソフトは3D形状と属性が一体化(左)しているのに対し、Navis+は別々に管理(右)している |
3Dモデルの各部材と属性情報は「ID」をキーにして連動する |
作業手順。設計、施工、維持管理とデータを連携していくのにも柔軟に対応できそうだ |
そのため、
エクセルさえ使えれば
BIMやCIMのワークフローに参加できることになります。
参加メンバーが増えることで、BIMやCIMの普及を後押しする効果もありそうですね。このソフトは既に大手ゼネコンなどが先行して使用しているそうです。
1つの構造物(上段)でも、複数の構造物(下段)でも、属性情報を統合管理できる |
BIM、CIMユーザーの声として、「属性情報が多くなるとデータが重くなってソフトが動かない」や、「自分たちの業務には必要ない属性情報が多すぎる」といった声もよく聞きます。
その点、Navisworksで3Dモデルをまとめることで3Dモデルのデータ量も10~20%程度と軽くなり、属性情報も「外付け」できるので3D画面上の操作はスイスイとできそうですね。
また、将来は構造物の維持管理用センサーの情報もIDにひも付けることにより、リアルタイムな維持管理を3Dモデル上で行うこともできそうです。
詳しくはCTCが9月17日に東京・霞が関で開催する「CIM最新事例セミナー」で、このNavis+が紹介されますので、ご興味のある方はお出かけください。