管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の普及により、BIMモデルのデータを様々なソフト間で受け渡して利用する機会が増えています。
ベンダーが異なるソフト間でのデータ連携には、IAIという国際的なBIMモデルの標準化機関が開発している「IFC」というデータ形式がよく使われています。
ところが、IFCにはソフトごとにクセがあり、完全にデータを受け渡すためにはIFCファイルを読み書きする機能を調整する必要もあります。
そこで、BIMソフトベンダーの大手、オートデスクは同社のRevit製品に使われているIFCファイルの書き出し機能を
ナ、ナ、ナ、ナント、
したのです。
これにより、意匠設計用の「Revit Architecture 2012」、空調・電気・衛生設備用の「Revit MEP 2012」、構造設計用の「Revit Structure 2012」のユーザーや開発者は、特定プロジェクトや公共事業などでIFCファイルの書き出し機能を必要に応じてカスタマイズできるようになりました。
既に、オープンソースの開発環境を提供するウェブサイト「SourceForge」内のhttps://sourceforge.net/projects/ifcexporter/から、ダウンロードできるようになっています。ソフトウェアのライセンス利用を定めているLGPL(Lesser General Public License)バージョン2.1の条件に準拠したオープンソースコードとして公開されています。
「SourceForge」で公開されているRevit用のIFC書き出し機能(上)とダウンロードした書き出し機能のアイコン(下)(資料:SourceForgeサイト) |
Revit用のIFC書き出し機能をインストール中の画面 |
IFCファイル書き出し機能のソースコードは、オートデスク社員1人やAEC事業部BIMコミュニティーのメンバー4人の計5人からなる運営委員会(Revit IFC Exporter Open Source Committee)によって管理・修正され、
Revit製品にフィードバック
されるそうです。
オートデスクがIFC書き出し機能をオープンソース化したことによって、多くのRevitユーザーが知恵やノウハウを持ち寄り、様々なソフトとRevitの“相性”が今後、ぐんと良くなることが予想されます。オートデスクの“オープンなBIM戦略”の発展に、期待したいですね。