管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)や3次元CADで設計するとき、面倒なのが既存の建物や地形のモデル化です。
地形図や既存の図面から3Dモデルを立ち上げたり、3Dレーザースキャナーで計測した点群データを3次元CADで立体的にトレースしてモデルを作ったりする方法がありますが、結構、手間ひまがかかりますね。
その手間を大幅に減らしてくれるクラウドコンピューティングサービスが登場しました。オートデスクの「123D Catch」というもので、
ナ、ナ、ナ、ナント、
連続写真を3Dモデルに変換
してくれるものなのです。
連続写真を3Dモデルに変換してくれるクラウドサービス「123D Catch」のウェブサイト(資料:Autodesk) |
橋の連続写真を3Dモデルに変換した例(資料:Autodesk) |
作業といえば、モデル化したい建物や物体の周りを取り囲むように数十枚の連続写真を撮って123D Catchのサイトにアップロードするだけです。
するとクラウドサービス側で数十枚の写真から共通点を探し出し、その位置関係を解析することで3Dモデルにしてくれるのです。
その対象は建物から彫刻、人物、地形など様々です。ただし、透明なものや光沢のあるもの、窓が単調な繰り返し配置になっている建物や、単調な繰り返し模様になっているものなどは、システム側が共通点を誤認するため3Dモデル化できません。
家具を3Dモデル化するために写真を撮った位置の例(資料:Autodesk) |
ゴツゴツした地盤を3Dモデル化した例(資料:Autodesk) |
このシステムは最新の空撮技術によって、さらにパワーアップします。例えば、
8ローター付きの模型ヘリ
にカメラを取り付けて、オートデスク本社ビルの周囲や上空をぐるりと撮影し、それを3D化した例を記録した「MikroKopter Cinestar 8 at Autodesk HQ and 123D Catch」動画がYouTubeに公開されています。
カメラを搭載した8ローター付き模型ヘリコプター(写真:YouTubeより) |
オートデスク本社ビル上空で連続写真を撮影(写真:YouTubeより) |
出来上がった3Dモデル(写真:YouTubeより) |
YouTubeで公開されている動画「MikroKopter Cinestar 8 at Autodesk HQ and 123D Catch」(動画:YouTubeより) |
8ローター付きのヘリはとても安定性がよく、GPSで飛行ルートを指定して飛ばすこともできるようです。建設業でもこんなシステムを使うと、BIMによる設計や維持管理作業などがぐっと近代化、省力化できるのではないでしょうか。