日本製BIMも負けず!国産ソフト間のIFC連携が急進展
2012年2月9日

管理人のイエイリです。

このところ、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)用の意匠設計CADが、BIM用のデータ交換標準である「IFC形式」によって他社のソフトとデータ連携する開発が進んでいます。

それは、日本製BIMソフトも同様です。先月、福井コンピュータは同社のBIM建築設計システム「GLOOBE」が、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

IFCで2本のソフトと連携

 

したことを相次いで発表しました。

1月20日にはまず、コミュニケーションシステムの建築企画設計システム「TP-PLANNER」とIFCでデータ連携したことを発表しました。

 20120209-image3.jpg

上流の企画段階を担当する「TP-PLANNER」と「GLOOBE」のIFC連携イメージ(資料:福井コンピュータ、コミュニケーションシステム)

「TP-PLANNER」はビルやマンションなどの企画段階での検討に使うソフトで、日影や斜線、天空率など土地の制限から建築できる建物のボリュームを算出します。1988年から販売しており、建築設計や不動産関連業などで使われる企画設計システムとして圧倒的なシェアがあります。

今回のIFC連携により、「TP-PLANNER」で企画設計を行った後、「GLOOBE」での意匠設計や実施設計、プレゼンテーションまでの設計業務をシームレスに行えるようになりました。

驚くべきは、その作業効率のよさです。8階建てマンションの例では、連携なしの場合5時間かかっていた作業が、IFCによるデータ連携の結果わずか50秒に短縮されました。かなりの生産性向上につながりそうですね。

 20120209-image4.jpg

「TP-PLANNER」と「GLOOBE」のIFC連携による作業効率のアップ(資料:福井コンピュータ、コミュニケーションシステム)

福井コンピュータは続いて1月31日、建築ピボットの非住宅の建築物用省エネルギー計算システム「SAVE-建築」とのIFCデータ連携が実現したことを発表しました。

 20120209-image1.jpg

下流側のエネルギー解析を担当する「SAVE-建築」と「GLOOBE」のIFC連携イメージ(資料:福井コンピュータ、建築ピボット)

GLOOBEで設計した建物のBIMモデルから、方位や階、部屋、壁、スラブ、建具、カーテンウォールの情報をIFC形式で「SAVE-建築」に読み込み、エネルギー計算を行うことができます。

エネルギー計算のために再度、モデリングする必要がないので効率的です。TP-PLANNERがGLOOBEにとって上流側の業務を担当するのに対し、SAVE-建築は下流側の業務システムという位置づけになります。

 20120209-image2.jpg

「SAVE-建築」と「GLOOBE」のIFC連携で受け渡すデータの内容(資料:福井コンピュータ、建築ピボット)

これらの日本製ソフトは、

 

日本の設計手法や基準

 

に対応しているため、実務によく合った機能を持っているのが特徴です。

福井コンピュータはGLOOBEと国内他社のソフトを連携させる「J-BIM」ソリューションネットワーク」の構築を進めています。

既に建築数量積算基準による詳細積算を行う「HEΛIOΣ(ヘリオス)」や構造図や躯体図の作図と設計数量 を行う「SIRCAD」、設備設計用の「CADWe'll Tfas Ⅳ」、熱流体解析ソフト「FlowDesigner」や「WindPerfectDX」、そして自社の施工図作成・数量計算ソフト「J-BIM施工図CAD]など、地道に連携を進めています。

 20120209-image5.jpg

「J-BIM」ソリューションネットワークのイメージ図(資料:福井コンピュータ)

日本発のBIMも、顧客密着戦略によって着実に進化しているようですね。海外製ソフトに負けず、さらなるパワーアップを期待したいです。

(Visited 1 times, 1 visits today)

Translate »