BIMソフトで読む!「ArchiCADガイドライン」を3月末に無償公開
2012年3月7日

管理人のイエイリです。

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)のソフトは、「取っつきやすく、奥が深い」のが特徴です。ちょっとした建物の3Dモデルを作り、CGなどを作るだけなら2~3日もあれば誰でもできるのではないでしょうか。

その一方、BIMモデルから建築確認申請用の図面を作ろうとすると、なかなか一筋縄ではいきません。場合によっては、3Dモデルから切り出した図面の上に、2次元で注釈や補足的な図を書き加える必要もあります。このあたりの2Dと3Dの使い分けには結構、ノウハウが必要ですね。

こんな初心者の疑問に答えようと、BIM用意匠設計CAD「ArchiCAD」を発売しているグラフィソフトジャパンは、BIMモデルの作り方や、建築確認申請用図面などの設計図書を上手に作るための「ArchiCAD BIM ガイドライン」を、今年3月末に同社ウェブサイトで無料公開することになりました。

ガイドラインといえば、本のようなイメージがありますが、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

ArchiCADで読む

 

マニュアルが含まれているのです。

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「ArchiCAD BIM ガイドライン」の1ページ。ブラウザーはArchiCADです(資料:グラフィソフトジャパン。以下同じ)

建築確認申請で使われる縮尺100分の1や、50分の1の断面詳細図などをArchiCADで描く際の、3Dモデルと図面の対応付けをArchiCADのBIMモデルそのものを使って解説しています。

図面だけを見ていたのでは、それが3Dモデルでできているのか、2Dで後から書き加えたのかがなかなか判断できません。そこで、図面上に「2D」や「3D」といった丸囲み記号を付け、作図方法を1~2行で簡潔に説明しています。

もともとBIMモデルなので、3Dモデルの各部分を選んで属性情報を表示させると、どんな情報が入っているのかもすぐに分かります。これまでのように、参考書のコマ送り動画的な解説を読みながら、ソフトを動かして確かめる方法に比べると、スピーディーに理解できそうです。

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ArchiCADで作成した断面詳細図。どれが3Dで、どれが2Dなのかがパッと見ただけでは分からない

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BIMモデルで作られたガイドラインの説明。2Dと3Dの使い分けノウハウや作図方法を簡潔に説明している
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3Dモデルには、どんな属性が入っているのが分かる
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ガイドラインについて解説するBIM LABOの鈴木裕二さん(左)とグラフィソフトジャパンの飯田貴さん(右)(写真:家入龍太。以下同じ)

このガイドラインを作ったのは、関西のArchiCADユーザー有志が結成した「BIM LABO」というグループです。昨日(3/6)、グラフィソフトジャパンが東京・銀座で開催した「第8回 GRAPHISOFTパワーユーザーカンファレンス」で、このガイドラインについての紹介が行われました。

内容は、上記のBIMモデルや図面のほか、実務に沿ったBIMデータの作成方法や設計図書の作成解説、逆引きマニュアル、レイヤーや色などの環境設定ファイル、そして、

 

テンプレートファイルなど

 

含まれます。

これらの情報により、基本設計図や意匠・構造の実施設計図、そして確認申請用の設計図書が作成可能ということです。

パワーユーザーカンファレンスでは、中国・上海のUnited Design Group Co. Ltd.(UDg)のタン・ウェイ(Tang Wei)さんが、中国でのBIM活用事例を報告したほか、竹中工務店設計本部情報課長の能勢浩三さんが、1980年代から現在までのモデル活用の歴史と最新事例について講演しました。

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UDgのタン・ウェイさん(左)と徳陽(トクヤン)駅の見事なBIMモデル(右)
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竹中工務店の能勢浩三さん(左)と1980年代末の2Dと3Dの一貫利用例(右)。こんなに前から3Dを使いこなしていたことに、驚きました

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