アラップに直撃取材!3棟連結プールで有名な施設にBIMをフル活用
2012年10月9日

管理人のイエイリです。

10月7日から21日まで、シンガポール、タイ、ベトナムの3カ国におけるBIM活用を中心に取材して回っています。

昨日(10/8)は日本は休日でしたが、シンガポールの皆さんは、バリバリと働いていました。この日の午後一番で向かったのは、アラップ・シンガポール社の事務所です。

同社は3棟にまたがるプールのある複合施設「マリーナ・ベイ・サンズ」の構造設計などを担当しました。この施設の設計・施工には、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

徹底的にBIMが活用

 

されているのです。

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マーライオンから見たマリーナ・ベイ・サンズ(写真:家入龍太)

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取材に対応していただいたアラップ・シンガポール社のシニアアソシエイト、アンドリュー・ヘンリーさん(左)とBIMリーダーのルピンダー・ウィルク氏(右)(写真:家入龍太)

特に花びら形をしたアートサイエンス・ミュージアムは、ライノセラスで作成した原形のモデルを、ベントレー・システムズの「ジェネレーティブ・コンポーネンツ」によって鉄骨の中心線を作成し、複雑な曲面を持つ花びらの部材モデルを作成しました。

そしてアラップが開発した「GSA」という構造解析ソフトで解析した後、ベントレーの「MicroStation Triforma」で詳細な部材の寸法や位置を決定。そのモデルデータを鉄骨の詳細設計ソフト「Tekla Structures」に読み込んで、鉄骨会社のものづくりデータとして渡したそうです。

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花びら形をしたアートサイエンス・ミュージアム(写真:家入龍太)

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完成予想パース(資料:ARUP Singapore)
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鉄骨のBIMモデル(左)と建設中の様子(右)(資料・写真:ARUP Singapore)

異なるソフト間でデータ交換をスムーズに行うために、

  

データ交換ソフトを自社開発

 

しているそうです。

同社はこのほか、5万5000人収容の国立スタジアムを中心とした「スポーツ・ハブ」の設計にもBIMをフル活用し、部材の鋼重を減らすための最適化など、さらに進化したBIM活用を行っています。

シンガポールでは2015年にBIMによる設計が義務化されます。政府もBIMソフトを購入する企業に対して50%の補助を行っているそうです。

BIM先進国のシンガポールでは、もはやBIMは当たり前のツールになっていました。明日(10/10)は、鉄骨を製作したヨンナム社の工場も訪問します。どんな方法で鉄骨を作っているのか、興味津々です。

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