重機教習からBIMまで!シンガポール建設アカデミーの充実度
2012年10月12日

管理人のイエイリです。

シンガポール政府としてBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)導入を推進するBCA(建築建設局)に取材を申し込んだところ、インタビューの場所としてBCAアカデミーという建設専門の教育機関を指定されました。

誰に会えるのかは当日まで分かりませんでしたが、約束の時間に行ってみるとシンガポールでBIMを推進するキーパーソンがそろっていました。

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BCAアカデミーの正門(左)と壁面緑化が施された校舎(右)(写真:家入龍太。以下同じ)

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シンガポールのBIMキーパーソンたち。左からサムサック・スワディウィジポンさん、スーン・ライ・クァンさん、チェン・タイ・ファットさん、チァン・ウェン・タットさん、そしてイエイリも加わらせていただきました

リーダー格のチェン・タイ・ファットさん(Cheng Tai Fatt, BCA Academy)やスーン・ライ・クァンさん(Soon Lay Kuan、BCA)、そしてシンガポール国立大学のサムサック・スワディウィジポン教授(Somsak Swaddiwudhipong)、チァン・ウェン・タット准教授(Chan Weng Tat)です。

ファットさんはシンガポール政府がBIMを強力に推進する理由として、「全産業の中でも建設業の技術や効率、生産性を高めることにより大きな変革を実現することを目指している。そのためには2Dの図面になれた建設業界の考え方を変革することがカギになる」と語りました。

このインタビューの前、少し時間があったのでBCAアカデミーの中を一回りして見学してきました。敷地の奥の方に行くと「立ち入り禁止」の看板があり、奥の方ではクレーンが林立しています。

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立ち入り禁止の看板の奥にはタワークレーンが林立

きっと校舎の増築工事なんかをやっているのかなと思いきや、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

建設機械の教習所

 

だったのです。

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多数のタワークレーンやバックホーなどが稼働する建機の教習所

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クローラークレーンの教習。赤い障害物にぶつからないように吊り荷を低い位置で吊ったままジグザグに通す練習をしていました

バックホーの教習現場では数台が現場内を移動したり、バケットで掘削したりという練習を行っていました。

面白いのはタワークレーンやクローラークレーンの実習です。フェンスの向こう側にある見えない吊り荷を地上の合図係の人と連携しながら障害物にぶつからないように吊り上げ、低い位置で吊った吊り荷を障害物を避けながらジグザグドリブルのように移動させます。そして最後は所定の枠内に吊り下ろす、といった練習を行っていました。

ちなみにタワークレーンの教習コースは座学22時間(別途試験2時間)、実技訓練64時間(別途試験と評価8時間)で、講習料は座学が321シンガポールドル、実技が1979.5シンガポールドルです。

このほか、キャンパス内には配管作業の実習場もありました。いわば、建設関係の免許や技能講習、特別教育の一大センターと言った感じの施設です。

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配管作業の実習場と思われる場所

BCAアカデミーは重機や資材など、ハード関係の教習以外にソフト関係の教育も行っています。入り口にあったチラシによると3次元CG、アニメーションを作成するソフト「3DX MAX」の基礎講座(28時間、505.75シンガポールドル)などです。

また、ここでは

  

3種類のBIMコース

 

も実施しています。

入り口の教室案内ディスプレーには、「Certification Course in BIM Management」という科目が表示されていました。

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BIMマネジメントコースの教室案内が表示されたディスプレー

後で分かったのですが、このコースにはシンガポールで日本のスーパーゼネコンが建設中のビル工事で、サブコンとして入っている日本のサッシメーカーの方も参加しておられました。

重機の教習から最新のBIMまで、実務に密着した建設技術をワンストップで学べるBCAアカデミーは素晴らしい施設だと感心した次第です。

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