管理人のイエイリです。
今年4月、パナホームは省エネ・創エネ・蓄エネをHEMS(住宅エネルギー管理システム)で連携させ、CO2排出量の年間収支をゼロにするとともに災害時の電力自立が可能な「スマート・パナホーム」を発売しました。
この住宅は年間光熱費を約140%節約できる、つまりこれまで払ってきた光熱費の約40%分が逆に収入になるという画期的なものです。
それから、半年後の10月1日、この住宅は
ナ、ナ、ナ、ナント、
さらに高性能化
して、NEW「スマート・パナホーム」として発売されたのです。
NEW「スマート・パナホーム」の外観。パッシブ性能を高めるため深い軒や通風性を高めるための大きな開口部が特徴だ(写真・資料:パナホーム。以下同じ) |
4月に発売された「スマート・パナホーム」の外観 |
一体、どこが進化したのかを見てみました。まずは、HEMSの中核機器に「ECHONET Lite(エコーネットライト)」対応の「AiSEG(アイセグ)」を採用したことです。ECHONET Liteとは、異なるメーカーの機器をHEMSのネットワーク上で制御できるようにするための規格です。
現在はまだ、他メーカーの機器を実際に制御できるまでには至っていないようですが、今後は様々なサードパーティー製の家電や設備などを接続し、統合制御できる道が開かれました。
AiSEGを中核機器とした「スマートHEMS」のイメージ |
もう一つ、進化したところは従来のスマート・パナホームでも採用した地熱による「家まるごと断熱」のほか、通風や自然光の活用をさらに進めてパッシブな省エネ性能を高めたことです。
深い軒を使って日差しをコントロールしたり、開口部を大きくしたりして自然エネルギーを有効に活用する工夫が凝らされています。建具にも「通風採光ランマ」や「採光玄関ドア」などを採用しました。
光・風・地熱を生かしてパッシブな省エネ性能をさらに高めた |
さらに、洗濯の家事効率を高めるため、「家事楽ドライピット」という部屋を新しく採用しました。洗う→干す→たたむ・アイロンがけといった一連の作業を効率的に行える動線が配慮されている室内干し専用スペースです。
この部屋には雨を感知して自動的に閉まる
電動オーニング窓
や設定温度になると自動的に排気するセンサーファンが付いていて、窓が開けられない場合も湿度を調整・換気してくれます。
新たに採用された部屋干し専用スペース「家事楽ドライピット」 |
省エネ性能が進化したことにより、年間のCO2排出量は旧省エネ基準レベルの住宅(1990年当時)に比べて、従来の「スマート・パナホーム」が約3.8トンの削減だったのに対し、NEW「スマート・パナホーム」は約4.0トンとさらに上積みされました。
スマートハウスの性能を高めるための決め手は、パッシブな省エネ性能の向上と言えるでしょう。つまり、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)によるエネルギー解析や通風解析、照度解析などをHEMS機器とマッチングさせることが、設計者には今後、ますます求められてきそうですね。