管理人のイエイリです。
11月1日、東京・八丁堀で日積サーベイ主催の「ΗΕΛΙΟΣフェスタ2012」が開催されました。同社が開発する積算ソフト「ΗΕΛΙΟΣ(ヘリオス)」の次期バージョンのBIM関連機能の強化などについて、デモンストレーションを交えたセミナーや展示で解説するものです。
私も「建築業界のBIMへの取り組みと実態」というテーマでお話させていただきましたが、その後、壇上で「ΗΕΛΙΟΣのBIMへの取り組み」というテーマで講演したのは、入社2年目の同社販売促進部BIMソリューショングループ、高橋肇宏さんです。
高橋さんは芝浦工業大学大学院の院生時代には木本健二教授の研究室に所属し、
ナ、ナ、ナ、ナント、
BIMに関する研究
を行っていたのです。
木本教授らと「BIMを用いた建築基準法適合判定手法に関する研究」を日本建築学会計画系論文集に発表するなど、計5編の学会発表を行っています。まさにバリバリのBIM人材ですね。
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満員の会場で「ΗΕΛΙΟΣのBIMへの取り組み」を講演する高橋肇宏さん(写真:家入龍太) |
積算ソフト「ヘリオス」はこのところ、BIMとの連携を深めています。意匠設計用BIMソフトとの連携では、既に福井コンピュータアーキテクトの「GLOOBE」やグラフィソフトの「ArchiCAD」から、IFC形式によるデータ読み込みができるほか、2013年4月にはオートデスクの「Revit」とも同様の連携ができるようにするために、オートデスクとの共同開発がスタートしています。
こうしたBIMソフトとの連携により、積算業務の効率は3割程度は確実にアップするとのことです。積算業務でこれだけ効率化できるのは、ある意味、画期的です。
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意匠設計用BIMソフト「ArchiCAD」からのIFC形式によるデータ読み込みのイメージ(資料:日積サーベイ) |
さらに、ヘリオスの次期バージョン(Ver.8)では、従来の2次元による積算データの表示に加えて、3次元での表示も可能になりました。
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従来の2次元による表示(資料:日積サーベイ) |
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最新版で加わった3次元による表示(資料:日積サーベイ) |
ヘリオスの次期バージョンでは、柱や床などの部材を配置し積算基準に従って数量を算出できる機能があります。この積算作業時に作ったモデルデータを
IFC形式に書き出して
GLOOBEやArchiCAD、J-BIM施工図CADと連携させる機能も追加されました。
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IFC形式によるBIMソフトとの連携イメージ(資料:日積サーベイ) |
積算はこれまで、地味な作業と思われてきましたが、その過程では施工管理や維持管理、ライフサイクルコスト管理などにつながる有益な情報を作り出しています。BIMソフトとの連携が深まることで、積算を担当する設計事務所のビジネスチャンスは、今後、ぐっと広がるかもしれませんね。
なお、11月13日に大阪で開催される「ΗΕΛΙΟΣフェスタ2012」でも、イエイリが講演します。ご興味のある方はぜひお越しください。