管理人のイエイリです。
交通事故を防ぐ手段として、クルマと道路インフラ、そして歩行者の間で通信によって情報交換する「インフラ協調型安全運転支援システム」という技術があります。高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport System)」の1つです。
トヨタ自動車は、このシステムの研究・開発を進めるため、静岡県裾野市にある同社の東富士研究所に「ITS実験場」を新設し、本格運用を始めました。
その施設の写真がこのほど公開されましたが、3.5haの敷地に
ナ、ナ、ナ、ナント、
リアルな市街地
を建設したような、巨大な施設なのです。
3.5haの敷地にリアルな市街地を再現した「ITS実験場」(写真:トヨタ自動車。以下同じ) |
この実験場には総務省が2011年12月にITS向け周波数として割り当てた700MHz帯の電波を利用可能な路車間通信や車両検知装置、歩行者検知装置、コース監視装置、交通信号機制御装置など、最新の道路インフラが設置してあります。
クルマと道路インフラ(路車間)のほか、クルマ同士(車車間)やクルマと歩行者(歩車間)で直接通信し、情報交換することによって見通しの悪い交差点でのクルマと歩行者の事故防止を目指す「安全運転支援システム」や、燃費向上を目指した「環境システム」の研究・開発を行います。
路車間通信のサンプル画像 |
一般の公道では道路環境が常に変化するので、
実施が難しい試験や評価
も、専用のITS実験場で繰り返し行えるようになります。
トヨタは「交通事故死傷者ゼロの実現」に貢献するため、個々のクルマだけでなく、外部との連携による「統合安全コンセプト」に基づいた安全装備やシステムを研究・開発していくとのことです。
道路を造る建設業にとっても、これからは道路周辺の通信システムまで自社の守備範囲と考えてこれらの研究開発をフォローしておいた方がいいかもしれませんね。