入札前に配筋からVRまで!シンガポールの建設会社が実践するCIM
2012年11月14日

管理人のイエイリです。

シンガポール政府は2015年から床面積5000m2超の建物の意匠、構造、設備の建築確認申請にBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)による電子申請を義務づけるなど、国内の建設業界へのBIM導入を急いでいます。

土木工事を中心に手がける現地のゼネコン、スイーホン社(Swee Hong Engineering & Construction Pte Ltd)はこうした動きを受けて、2009年から土木工事へのBIM導入を進めてきました。いわばシンガポール版のCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)ですね。

とはいえ、土木構造物の設計を行う建設コンサルタントのCIM導入はこれからで、入札前に提供されるのは2次元図面のPDFファイルです。

そこで、スイーホン社では入札前に、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

PDF図面からCIMモデル

 

を作成する作業を行っているのです。

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モノレール駅のPDF図面(上)から作成したCIMモデル(下)(資料:Swee Hong。以下同じ

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積算などに備えて部材の属性情報もちゃんと入力している

メーンとして使っているBIMソフトは「Allplan」です。PDF図面をCIMモデル化する際には、ちゃんと属性情報も入力し、その後の積算などの作業に使い回せるようにしています。

このほか、使っているソフトは鉄骨構造の詳細設計には「Advance Steel」、型枠設計や数量計算には「Allplan Precast」、施工手順の検討には「iTWO」というドイツ製のソフトを使っています。IFCなどのデータ形式で各ソフトが連携できるように考えてソフトを導入しています。

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使用ソフトと各ソフト間の連携に使われるデータ形式
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Allplanで作成した詳細な鉄筋モデル

そしてプレゼンテーション用には日本のフォーラムエイトが開発したバーチャルリアリティー(VR)ソフト

  

UC-win/Roadを使用

 

しているのです。

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UC-win/Roadで作成したモノレール駅周辺のVR
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UC-win/Roadで作成した道路拡幅工事の施工時のVR
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スイーホン社でCIMを推進するアシスタント・ディレクターのケネス・リム氏

スイーホン社はCIM導入に当たり、社内で使うソフトをいろいろとテストして厳選したそうです。BIM、CIMの先進国、シンガポールで日本製ソフトが使われているのはなんだかうれしいですね。

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