ナント、CO2排出量を半減!大和ハウスが次世代の環境配慮型工場を発売
2012年12月21日

管理人のイエイリです。

最近、私が注目しているプロジェクトがあります。それは大和ハウス工業が取り組んでいる「Smart-Eco Project(スマートエコプロジェクト)」というもので、2020年までに建物運用時のCO2排出量ゼロを目指す取り組みです。

各社からスマートハウスやゼロエネルギー住宅が発売されていますが、スマートエコプロジェクトは、住宅以外のオフィスや店舗が対象となり、「D’s SMART OFFICE」や「D’s SMART STORE」として製品化もされています。

Smart-Eco Project(スマートエコプロジェクト)」

1弾

2011年7月

D’s SMART OFFICE(ディーズ スマート オフィス)」発売

2弾

2011年12月

環境配慮型オフィス「大和ハウス愛知北ビル」実証実験開始

3弾

2012年5月

D’s SMART STORE(ディーズ スマート ストア)」実証実験開始

4弾

2012年10月

環境配慮型オフィス「大和ハウス岐阜ビル」実証実験開始

5弾

2012年12月

D’s SMART FACTORY(ディーズ スマート ファクトリー)」発売

 

このほど、その第5弾となる次世代環境配慮型工場「D’s SMART FACTORY(ディーズ スマート ファクトリー)」が12月20日に発売されました。

その特徴は、2005年度のエネルギー消費量と比較して

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

CO2排出量を50%以上削減

 

できる実績があることなのです。

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D’s SMART FACTORYのコンセプト(資料・写真:大和ハウス工業。以下同じ)

CO2排出量を削減するため、自然の力を生かす「パッシブコントロール」や創エネ・省エネ・蓄エネを行う「アクティブコントロール」、建築設備や生産設備のエネルギーを総合的に管理する「スマートマネジメント」を採用しています。

その中核となるのがHEMSやBEMSの工場版である「FEMS(工場エネルギー管理システム)」です。

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一段高くした「越屋根」に設けたトップライトからの採光(左)と断熱性の高い高断熱複層ガラス(右)

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建物内部の空調負荷を軽減する屋上緑化(左)と大きな屋根面を活用した太陽光発電システム(右)

同社の九州工場では2005年度から省エネへの挑戦を開始し、2008年度には「見える化」システムを導入、さらに2009年度には改善組織体制を強化しました。その結果、エネルギー消費がどんどん減り、2011年度には2005年比で51%ものエネルギー削減を達成しました。

D’s SMART FACTORYには、九州工場で得られた省エネの知見も活用していきます。

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大和ハウス工業の九州工場でのCO2排出量削減実績

もう一つ、特徴的なのは地震災害や事故が発生したときに生産を早期復旧させる事業継続計画(BCP)対策が採られていることです。

東日本大震災級の大地震が起こり、停電が発生しても、自家発電機や太陽光発電システム、蓄電池からの電気を利用して、

 

生産を継続できる

 

ようになっています。

また、構造躯体には繰り返し地震を受けても耐震性能を発揮できる筋交いを制震ブレースとして使用する耐震工法「D-TEC BRACE(ディーテックブレース)」を採用しています。

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通常時は太陽光発電、蓄電池を利用し、電力利用の平準化を図る。発電機によるピークカットも可能だ
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停電・災害時は太陽光発電、蓄電池を利用し、保安負荷を生かす。また、発電機により生産機器の一部をバックアップし、生産活動を継続利用できる
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大きな圧縮力を受けても破損しない筋交いを制振ブレースとして使用する「D-TEC BRACE」耐震工法

こうしたスマートな工場を実現するためには、設計や施工だけでなく完成後の工場運営のノウハウまでを情報共有し、企画段階に「フロントローディング」する必要があります。

従来のように建築、設備、電気計装、そして維持管理担当者がバラバラに仕事をしていたのではとても50%ものCO2削減は実現できないでしょう。大和ハウスのスマートエコプロジェクトは、異なる職能をまとめ上げて建物づくりを行っている点でも大いに注目できそうですね。

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