管理人のイエイリです。
ビルで使う電力やガス、水道などの使用状況を見える化し、照明・空調機器など運転を制御する「BEMS(ビルエネルギー管理システム)」の世界も、異なるメーカー間のシステム連携が進みつつあります。
新菱冷熱工業はこれまで「SEMS」という独自のエネルギーマネジメントサービスを提供していましたが、その中核となるSEMSサーバーをオープンプロトコルによる通信方式に対応できるようにしました。
異なるメーカーのBEMSで使われている通信プロトコルを、オープンプロトコルに変換する技術がそのポイントとなります。
この技術を使って、同社では社内7拠点のBEMSを統合し、
ナ、ナ、ナ、ナント、
スマホで全国の機器を操作
できるようになったのです。
全国7拠点の電力使用量のリアルタイムな表示(資料:新菱冷熱工業。以下同じ) |
電力、都市ガス、水道の使用量の時間的な変化の表示 |
各社の通信プロトコルとオープンプロトコルを変換 |
2月28日に東京・四谷の同社本社で行われた記者発表では、その機能が明らかになりました。スマホやiPadを使って各事業所の部屋ごとの現在温度や空調の設定温度を見たり、スイッチを操作したりすることができるのです。
ここまで、見える化や制御が徹底して行える日本のBEMS技術は、すばらしいですね。
スマホの画面例。部屋ごとの空調の状態(左)、各部屋の運転状況一覧(中)、データのグラフ表示(右) |
iPadを使って記者発表が行われている部屋の空調をオン・オフするデモンストレーションも行われました。iPad上で管理システムにアクセスして部屋を選び、スイッチ操作を行うと、吹き出し口からの空気の流れが数秒後にストップしました。
空気が出ている空調の吹き出し口 |
iPad上で部屋を選び、スイッチオフ |
数秒後に吹き出し口の空気がストップ |
BEMSというと、「省エネ」や「節電」を目的に使われることが一般的ですが、スマホなどで一括管理できるようになったことで思わぬニーズも出て来ているようです。
ナ、ナ、ナ、ナント、
休日出勤状況を見たい
という経営者もいるそうなのです。
このほか、工場のある部署で突然電気の使用量が多くなった場合には、生産工程にムリ・ムダ・ムラがあるのでは、という判断も行うのだとか。
社内の各職場の最前線までを見ることができない企業のトップにBEMSを売るために、「職場の見える化」というセールストークは使えそうですね。