管理人のイエイリです。
製造業向け3次元CAD「CATIA」をベースに開発されたBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)用ソフト、「Digital Project」などを販売するダッソー・システムズは、建築・土木業界向けに3Dを使った新しい業務スタイルを5月20日に発表しました。
ひと言で言えば、「3Dを活用したプロジェクト管理ソリューションによってリアルタイムに進ちょくを管理、無駄を削減し利益を向上する」というもので、その名は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
リーン・コンストラクション
というものなのです。英語で書くと「Lean Construction」、つまり無駄のない建設という意味ですね。
これは同社の3Dプラットフォームによって、工期と工費を守ったプロジェクトの実現や、安全な作業環境の維持、リスクの最小化といった、土木・建築業界が直面する課題の解決をサポートするという構想を意味します。
そして施主にとっては完成後の運用や維持管理コストを削減し、地球環境の保護やビル入居企業の満足度向上などの成果を通じて、投資の有効性を高めるという価値を提供するというものです。
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「リーン・コンストラクション」のイメージ図(資料:ダッソー・システムズ) |
冒頭では「業務スタイル」と表現しましたが、同社のプレスリリースではこの構想を表すのに「ソリューション・エクスペリエンス」という言葉が使われています。「エクスペリエンス(Experience)」とは日本語に訳すと「経験」という意味です。
つまり、同社の3D設計ソフトやシステムなどのソリューションを使うことによって効果的な仕事の仕方をユーザーに経験してもらう、というスタンスでの提案なのでしょう。
エクスペリエンスという言葉は、外資系ソフトベンダーなどの間でよく聞かれます。ソフトベンダーの商品は、単体の製品を表す「ソフト」から、業務上の問題を解決する「ソリューション」へと変わり、さらに業務のワークフロー全体を合理化する「エクスペリエンス」と、より製品がもたらす「本質」の部分に移ってきたということでしょうか。
BIMやCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)関連のソフトベンダーにとって、商品は「モノからコト」へ変わってきたことを感じますね。
同社では建築・土木業界向けに「3Dエクスペリエンス」や「リーン・コンストラクション・3Dエクスペリエンス・ソリューション(英文)」というウェブサイトを設け、同社の様々なソリューションや事例などの情報を提供しています。
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3Dプラットフォームによりリーン・コンストラクションや建設の工業化、安全性の向上などを提案する「3Dエクスペリエンス」のウェブサイト |
後者の英文サイトでは、
イエイリが執筆
した英文ホワイトペーパー「3D Systems For a Safer and More Productive Construction Site(工事現場の安全性や生産性を高める3Dシステム)」も無料でダウンロードできるようになっています。ご興味のある方はご覧ください。
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イエイリが執筆した英文レポートのダウンロードページ(左)と筆者執筆の英文ホワイトぺーパー(右) |