管理人のイエイリです。
6月21日(現地時間)から米国デンバーでは、AIA(アメリカ建築家協会)全米大会が開催されます。
その前日、デンバー空港で行われている拡張工事現場を直撃してきました。この現場では、BIMソフトをフルに駆使して、設計から施工、そして維持管理をにらんだ取り組みが行われているからです。
デンバー空港の拡張工事。デンバー中心街と空港をつなぐ鉄道駅とホテルの工事現場(写真:家入龍太。以下同じ) |
まず向かったのは、空港近くに立つ設計事務所グループのオフィスです。外観は小規模な展示会場のようですが、内部は壁で細かく仕切られて、事務所になっています。当然、セキュリティーも厳しく、職員用のカードがなければ入れません。
デンバー空港拡張工事の設計事務所グループのオフィス(左)。内部はこんな感じで仕切られています(右) |
中に通されて案内されたところには、
ナ、ナ、ナ、ナント、
BIMルーム
があったのです。
大きなスクリーンを備えたBIMルーム。スクリーンはタッチパネル式になっています |
ここでは空港に新設する鉄道駅とホテルなどの設計や施工計画を行っています。意匠、構造、設備をそれぞれ担当する設計事務所が作成したBIMモデルをここで統合し、干渉チェックや解決などを行っています。
名刺交換しましたが、デンバー国際空港当局、HNTB、AECOMとそれぞれにBIMマネジャーの方がおられました。
BIMルームに集合した関係者 |
|
名刺交換したら各社のBIMマネジャーが集まっていることが判明 |
デンバー空港は東西南北それぞれの方向に1~2本の滑走路があり、広大な敷地の内部には結構、山あり谷ありと複雑な地形をしています。
新設する鉄道駅は既存のターミナルに接続するように作られており、高さの取り合いや勾配の管理などが複雑です。そのため「Infraworks」や「Revit」、「Navisworks」などをフル活用して、毎週のようにBIMモデルをバージョンアップしながら施工を進めています。
鉄道駅と翼の形をしたホテルの完成予想模型 |
|
Navisworks上で統合したBIMモデル |
設計や施工計画の話を聞いた後、現場見学に出掛けました。
ここでは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
iPadにBIMモデル
を入れて、施工管理に使っていたのです。
施工管理担当者が持ち歩いているiPadには、詳細なBIMモデルがインプットされていた |
施工会社では毎日、工事の進ちょくに合わせてBIMモデルを修正しているほか、将来のBIMモデルも用意してあるとのことです。
これらのBIMモデルは、「TeklaStructures」で作った詳細なものです。今度は「Infraworks 360」というアプリを使って、AR(拡張現実感)も現場で使ってみたいと言っていました。
日本のCIM現場も、これに負けない活用をしている会社があると聞きました。頼もしいことで、私もうれしくなりました。