タブレットと連係!大林組の「スマートBIMクラウド」が堂々完成
2013年9月27日

管理人のイエイリです。

2011年8月26日に、当コーナーでは「次世代BIMを目指す!大林組、NEC、グラフィソフトがクラウド構築」という記事を掲載しました。

そのころ、大林組は2010年に行われたBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)仮想コンペ、「Build Live Tokyo 2010」で最優秀賞を獲得したり、東京スカイツリーの建設でBIMを活用したりと、BIM界で注目を集め始めたころでした。

そして昨年からは土木分野でもCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)を独自で現場導入していることも、先日の記事でお伝えした通りです。

あれから約2年たった昨日(9/26)、同社はプレスリリースを報道各社に配信しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

スマートBIMクラウドが完成

 

し、今年10月から本格稼働させるというのです。

このクラウドシステムは、大林組とNEC、グラフィソフトが共同で開発していたものです。

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スマートBIMクラウドの構成イメージ(資料:大林組。以下同じ)

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3社のアライアンスイメージ

開発に約2年もかけたこのシステムは、どんな機能を持っているのでしょうか。

まずは「オンデマンドな情報取得による早期合意形成」です。設計や施工、竣工などプロジェクトのあらゆる過程で、建物の3次元情報を、ウェブ上からいつでも、どこからでも、タブレット端末で確認できます。

プロジェクトの進行中、常に最新のBIMモデルを共有できるので、施主にもプロジェクトの内容をよく理解してもらえます。設計に対する意見なども素早く反映し、関係者間で円滑に合意形成が行えます。

大林組では建築・土木などの現場で施工管理を担当する技術者全員にiPadを配布していますが、スマートBIMクラウドの完成により、その効果がさらに発揮しやすくなるわけですね。

もう一つの大きな機能は「大量データの効率的活用による建物品質の向上」です。社内外のプロジェクト関係者が、建物に関係する大量のデータベースを効率的に利用し、スピーディーで正確な情報連携が行える環境が整います。

データベースには建物モデルのほか、設計プロセス、調達や各種シミュレーション情報など、建物にかかわるさまざまな情報が1カ所で管理されるので、円滑な工程の進捗と品質の向上につなげられます。

確かに、情報がいろいろなパソコンやサーバーでバラバラに管理されていると、情報を探す手間だけで結構なロスが出てしまいそうですが、一括管理によってその無駄もかなり削減できそうです。

このように、大林組のBIMは今でもますます進化しています。その結果、2013年7月末現在では、設計施工プロジェクトの

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

約半数にBIMを適用

 

するまでになり、今後もさらに展開を加速していくとのことです。

また、組織の面でも変化があります。現在、同社のBIM推進室には約20人のスタッフがいますが、今年10月1日付けで「PDセンター」に組織改編されるとのことです。「PD」とは「Product」と「Design/Delivery/Digital」の意味だそうです。

PDセンターはBIMプロジェクトに対応するだけでなく、BIMを使った次世代生産システムの実現も目指しています。「スマートBIMクラウド」はこの新しい建設プロセスを支えるインフラとして重要な機能を果たします。

2年前、なぜクラウドシステムの立ち上げに2年もかかるのかと不思議に思っていましたが、このような会社の経営戦略を変えるような構想の下で開発されていたわけですね。大林組のBIM/CIMからますます目が離せなくなってきました。

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