太陽熱と地中熱を利用!大和ハウスが介護施設で給湯のCO2排出を7割削減
2013年10月16日

管理人のイエイリです。

大和ハウス工業は、2020年までに法人向け建物の運用時のCO2排出量をゼロにすることを目指す「Smart-Eco Project(スマートエコプロジェクト)」に取り組んでおり、2011年7月以降、オフィスビルや店舗、工場などを建設しています。

その第8弾として建設したのが、山梨県甲府市の介護施設「あおぞらの里 甲府南デイサービスセンター」(運営はシダー)です。デイサービス施設では、入浴のための給湯エネルギーが多くなりますが、この施設では

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

太陽熱と地中熱を利用

 

することにより、給湯におけるCO2排出量を約70%も削減できるのです。

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太陽熱パネルと地中熱ヒートポンプを備えた介護施設「あおぞらの里 甲府南デイサービスセンター」(資料・写真:大和ハウス工業)

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太陽熱・地中熱利用給湯システムの概念図

晴れた日には太陽熱パネルで温水を作り給湯に利用します。日射量が少ない雨天や曇りの日、および夜間は地中熱ヒートポンプに切り替えてお湯を沸かします。夏季などは太陽熱だけでほぼすべての給湯をまかなえます。

太陽熱の取得熱量や水の使用量、空調・照明の電力使用量などのデータを見える化するため、「エネルギーマネジメントシステム」も採用されました。

 

太陽熱の取得熱量が分かるエネルギーマネジメントシステム

このほか、この施設では省エネ性能を高めるため高断熱・高気密外壁を採用し、室内側ガラスには単板ガラスの約2.4倍の断熱性能を持つLow-Eガラスを採用。また全館の照明にLED照明や人感センサーを採用することで、ランニングコストを抑えています。

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高断熱複層ガラス(左)や全館LED照明(右)も採用し、パッシブ、アクティブ両面で省エネ化を図っている

こうした省エネ対策の結果、同社が1990年当時に建設した建物に比べて、

 

約30%のCO2排出量削減

 

が可能になりました。

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全体パース

太陽熱による給湯システムは住宅では使われていますが、事業用の建物で大々的に導入する例は珍しいのではないでしょうか。太陽光発電の電気でヒートポンプ給湯器を回すより、「熱は熱で」使った方が相当、効率的です。こうした太陽熱利用はもっと広がってほしいですね。

大和ハウス工業はこの施設で実証実験を行い、その環境配慮技術を同社が設計・施工する有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅などに採用していきます。

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