測定距離はナント、330m!FAROの小型3Dスキャナーがパワーアップ
2013年11月15日

管理人のイエイリです。

建物や土木構造物、街並みなどの3D形状をレーザー光線で高精度で測定し、「点群」と呼ばれる無数の座標点で記録する3Dレーザースキャナーという測量機があります。

以前はハードとソフトを合わせて1000万円以上もしていましたが、ファロージャパンは500万円という低価格で重量わずか5kgという「FARO Laser Scanner Focus3D S120」という機種を投入したことで、3Dレーザースキャナーの敷居がぐっと低くなりました。

ただ、計測距離は120mだったため、ちょっと大きな建物や土木構造物には使えませんでした。

そこで同社は新型の「Focus3D X330」を今年10月に発表しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

計測距離が330m

 

と、約3倍にパワーアップされたのです。

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330mの長距離計測が可能な3Dレーザースキャナー「Focus X330」(写真・資料:ファロージャパン。以下同じ)

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従来機種との性能比較

サイズは「S120」よりもやや大きくなるようですが、小型・軽量であることには変わりません。また、価格もやや高くなるそうですが、同クラスの性能を持った従来機種よりもぐっと低価格とのことです。

長距離化に伴い、使用するレーザーも従来のクラス3Rからクラス1にグレードアップしました。

「X330」には人工衛星からの電波によって位置を計測するGPS(全地球測位網)機能が付きました。そのため数カ所で位置や角度を変えながら計測した点群を合成しつなぎ合わせて1つのデータにまとめる作業がしやすくなります。

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使用イメージ

最近は、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトやCADソフトでも、クラウド上のサーバーでデータを共有できるものが増えていますが、3Dレーザースキャナーの分野も同様です。

「Focus3D」シリーズに対応したソフト「SCENE」は、計測した点群データをボタン1つでクラウド上のサーバーに書き出すことができます。

さらにWeb-Share feature という機能を使えば、

 

インターネットブラウザーで

 

クラウド上の点群データにアクセスすることができるのです。

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点群データをボタン1つでクラウドにアップできる「SCENE」

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クラウド上で点群を見られる「SCENE webshare」のサイト

点群データをクラウド上で共有できると、海外の現場で計測した点群を日本でダウンロードしてBIMやCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)で設計するなど、国際間の分業もスピーディーにできそうですね。

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