管理人のイエイリです。
ビルや土木構造物の施工段階では、設計図上の柱や杭の設置位置を現場上で位置決めする「墨出し」や「測設」といった作業があります。
この作業はこれまで、トータルステーションなどの測量機器を使って数人がかりで行っていましたが、トプコンが今年1月に発売したレイアウトナビゲーター「LN-100」を使うと、
ナ、ナ、ナ、ナント、
1人でも簡単に墨出し
ができるのです。
様々な測量機能を備えたトータルステーションは、操作個所も多くて機能も複雑です。しかし「LN-100」は操作ボタンが3つだけ。測量機器に付きものの望遠鏡さえ付いていません。
本体の質量は約4kgと軽量でコンパクト。電源を入れると、「自動整準機構」によって機械の水平出しを自動的に行ってくれるので、設置も簡単です。
墨出しを行う測量員は、プリズムを持って現場上で杭打ちなどをする場所を探すわけですが、その時、コントローラーになるのがAndroid端末です。
LN-100からの信号を受けて、移動する方向や距離を端末の画面上に矢印などで分かりやすく指示してくれるので、測量員はそれに従って動くだけです。作業範囲は直径200m、高低差±10mです。
また、LN-100にはモータードライブによる自動追尾機能が付いているので、本体側には操作する人員は必要ありません。そのため測量員1人で墨出しができるわけです。
実は、LN-100にはBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)に対応した隠れた機能があります。
トプコンはこの機械を制御するための信号やデータ形式などを定めた
APIを公開
しているので、他のメーカーもLN-100の制御アプリを開発できるのです。
例えば、米国オートデスクはBIMやCIMのモデルを表示しながら簡単に位置決めできるアプリを開発し、昨年12月にラスベガスで開催した「Autodesk
University 2013」で公開していました。
測量機器とBIM/CIMモデルが融合することで、墨出し作業はより簡単になり、ミスも起こりにくくなりそうですね。