工期半減の秘密!サグラダ・ファミリアの石柱はCNC加工だった
2014年8月19日

管理人のイエイリです。

スペインのバルセロナで建設中の巨大教会「サグラダ・ファミリア」は、2010年には“屋内空間”となる礼拝所もでき、以前に比べるとぐっと教会らしくなりました。

サグラダ・ファミリアの礼拝所を囲む南側の壁面は鉄筋コンクリートでできていた(写真:特記以外は家入龍太)

サグラダ・ファミリアの礼拝所を囲む南側の壁面は鉄筋コンクリートでできていた(写真:特記以外は家入龍太)

 

礼拝所の内部。樹木のような柱が立ち並んでいる

礼拝所の内部。樹木のような柱が立ち並んでいる

 

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礼拝所の内部空間に立ち並ぶ柱の接合部分は、優美な曲線を帯びた石材が表面に施されています。

いったい、この部材をどうやって作ったのかと思っていたら、地下博物館のモニター画面に上映されていたビデオでその秘密が分かりました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

3DモデルからCNC加工

 

を行っていたのです。

まず、3Dデザインソフトで部材の原型を作ります。そして回転体と思われる立体を、原型部材に少し食い込むように配置し、ブーリアン演算の「引き算」により、重なった部分をカットします。

そのデータをCNC(コンピューター数値制御)の石材加工機用のドライバーソフトに読み込んで、石材を切削するカッターの動きをプログラミングします。

そして実際に石材をCNCの石材加工機で切削する、という手順が使われているようでした。

3Dデザインソフトで作成した柱の接続部分の原型モデルに回転体を食い込ませる(以下の画面:サグラダ・ファミリア地下博物館)

3Dデザインソフトで作成した柱の接続部分の原型モデルに回転体を食い込ませる(以下の画面:サグラダ・ファミリア地下博物館)

ブーリアン演算で食い込んだ部分をカットする

ブーリアン演算で食い込んだ部分をカットする

CNC加工機でカッターの動きをプログラミングする

CNC加工機でカッターの動きをプログラミングする

 

CNC加工機による切削

CNC加工機による切削

 

削り出された部材

削り出された部材

さらに滑らかな面に仕上げていく

さらに滑らかな面に仕上げていく

今から約30年前、学生だった私がスペイン・バルセロナで工事中の巨大教会「サグラダ・ファミリア」に行ったとき、完成までに300年はかかると言われていました。

ところが今は、12年後の

 

2026年に完成予定

 

となっています。

1882年の着工から約144年と、建設期間はこの30年間で半減したことになります。

もともと、図面では表現しきれなかったこの建物の設計・施工に、3DソフトやCNC加工機が使えるようになったことも、工期短縮の大きな力になっているようですね。

サグラダ・ファミリアにカメラを向ける観光客。世界一人気のある工事現場であることは間違いなさそうだ

サグラダ・ファミリアにカメラを向ける観光客。世界一人気のある工事現場であることは間違いなさそうだ

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