管理人のイエイリです。
太陽が照りつける夏の屋根温度は、気温が30℃以下であっても50℃以上になることがあります。
特に危険物貯蔵施設では、溶剤が気化するのを防ぐために冷房装置を導入には、「防爆仕様」を備えたものが必要となり、多くの費用が発生します。
三井住友建設は、東洋インキSCホールディングス(埼玉県坂戸市)の危険物貯蔵施設の冷却を低コストでできないかと考えました。
そこで採用した案は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
屋根に散水する
という方法だったのです。
今回、導入した屋根散水システムは、散水の水使用量を減らすために間欠的な散水を行うほか、天候や温度による制御を導入して節水を図ります。
これまでは個々に設計、製作していた制御盤をパッケージ化することで工費削減や工期短縮を実現しました。
また、内蔵する太陽光発電パネルで制御システムには商用電力を使用する必要がなく、散水用の弁の開閉も行えます。
危険物製造所や取扱所の冷却には、以前から屋根散水が実施された事例があり、建物内部をほとんどいじらずに防爆仕様にも対応できることや、屋根の遮熱や断熱に比べて効果が大きいことが評価されていました。
では、屋根への散水はどれだけ効果があるのでしょうか。三井住友建設は散水装置設置前の6月15日と、設置後の9月6日の気温を比較しました。
その結果によると、設置前は気温より30℃近く高かった屋根の温度は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
外気気温と同レベル
まで下がったことが明らかになったのです。
つまり、水が気化するときの大きな「潜熱」が、焼け付く屋根を強力に冷却していることがわかります。屋根からの放射熱が大幅に下がるので体感温度はかなり違いそうですね。
この屋根散水システムは、大きな屋根には一定間隔で設置した散水ノズルを1列ごとに散水する「順次散水システム」にも対応できます。コンパクトな装置と少ない散水量で冷却できるので、三井住友建設は今後、このシステムを展開していく予定です。