管理人のイエイリです。
設備用のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトとしては、CADWe’ll Tfas(ダイテック)やRebro(NYKシステムズ)、Revit MEP(オートデスク)が知られています。
この一角に電気設備分野から、総合的な設備BIMソフトとして進化し、食い込んできたのが、富士通システムズ・ウエストの「CADEWA Real」というソフトです。
2月12日に出荷開始された最新版の「CADEWA Real 2015」には、様々な新機能が搭載されています。まず、注目したいのは、干渉チェック機能です。
一般のBIMソフトなら、ダクトや配管などのモデルデータを読み込んでから、干渉チェック用のコマンドを起動させてバッチ処理的に行います。
その点、CADEWA Real 2015には、
ナ、ナ、ナ、ナント、
リアルタイム干渉チェック
機能がついているのです。
それから、日本の建設業の海外展開にも対応できるように、「UNICODE」に対応しました。その結果、前バージョンでは文字化けしていたベトナム語などの図面も、ちゃんと表示できます。
また、配管などの部材の発注機能も進化しました。配管にはエルボ(曲管)やフランジ、フランジ間にはさむパッキン、そして溶接など寸法に関係する様々な部材があります。
一方、配管の図面は曲がり部は省略され、直線の線分でつないだ図で表現されます。
こうした直線的な図面から、エルボやフランジ厚などの要素を考慮して、配管を工場製作するためのプレカットリストを作ってくれる機能が新たに搭載されました。
このほか、計算機能も充実しました。例えば、BIMモデルに基づいてダクトの静圧計算や、配管の揚程計算を行えるコマンドが追加されました。
この機能によって配管の最遠ルートを自動的にトレースし、抵抗計算をもとにポンプやファンなどの能力を選定することができます。
さらに“I”(属性情報)のあるBIMを感じさせる機能としては、パナソニックの照明器具ライブラリとの連携機能があります。
パナソニックの照明器具のBIMパーツをCADEWA Realに読み込むと、
照明計算に必要な属性情報
も同時に転送され、CADEWA Real上で照度分布などを計算・作図することができるのです。
この計算には、パナソニックの照度計算ツール「Luminous Planner」の計算エンジンを使用しています。
これまでのBIM活用は3D形状はよく使われていたものの、属性情報をどう使って設計・施工の効率を上げるかが課題でした。CADEWA Real 2015の静圧計算機能や照度計算機能は、“I”のあるBIMへと進化しつつあることを感じさせますね。