管理人のイエイリです。
建設業界で幅広く使われているAutoCADの最新版、「AutoCAD 2016」が3月24日に発売されました。
1982年に発売されてから既に30年以上立つ老舗CADですが、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルを統合する「Navisworks」のデータを読み込んでウオークスルーできるようになるなど、まだまだ進化は続いているようです。
今回のバージョンアップで目立つのは、3Dレーザースキャナーなどで計測した点群データから3Dモデルを作成する機能がさらに充実したことです。
点群データから
ナ、ナ、ナ、ナント、
角、中心線、断面図
を取り出す機能が搭載されました。
例えば、3Dレーザースキャナーで計測した点群データを読み込んで、建物の壁と壁、壁と屋根の面が交差する線や、2面の壁と屋根の面が交わる点を3次元空間上で求めることができます。
円筒形の物体の点群データの場合は、中心線を取り出すこともできます。
また、点群データの切り出し機能も強化され、点群データの一部を四角形や多角形、円で囲み、その部分を取り出して3Dパーツのように使うことができます。
また、点群データをある面で切断して、断面図を作る機能も搭載されました。
このほかの新機能としては、寸法記入コマンド使用時に図形上にカーソルを合わせるだけで適切な表示形式の寸法配置を行う、レンダリング時に光源を全周囲に配置する、コマンド操作中にプレピュー機能で結果を事前に把握するなど、生産性を向上させるための改良が行われました。
最近、AutoCADのオリジナルデータである「DWG形式」を読み書きできる低価格のDWG互換CADが大手建設会社を中心に普及しつつあります。
こうした動きに、AutoCADやAutoCAD LTはひょっとして値下げで対抗するのかも、と期待する人もいるかと思います。
しかし、オートデスクは「The Future Of Making Things(想像の未来)」という考え方により、ユーザーが将来必要となるデザインとワークフローを業界の先頭に立って提案すると、強気の姿勢を崩していません。
今年5月にAutoCAD LTなどのLT製品やサブスクリプションの新規価格を約5%値上げするほか、
その他の新規価格は約10%
値上げする予定なのです。
また、AutoCAD LTの5本パック、10本パックのボリュームディスカウントも終了となります。
そして2016年2月以降に販売する単品ソフト(Suite製品を除く)は期間限定ライセンスの「Desktop Subscription」のみになるとのことです。
いよいよオートデスクも、永久ライセンスから期間限定ライセンスへと大きく舵を切りました。AutoCADやRevit Architectureなどの永久ライセンスがほしい人は、急いだ方が良さそうですね。