200m四方を半日で計測!大成建設がUAVをダム工事の土量計算に活用
2015年4月27日

管理人のイエイリです。

最近、マスコミをにぎわすことが多くなったUAV(無人飛行機)ですが、工事現場では施工管理に欠かせないツールになりつつあります。

大成建設は高知県安芸郡で施工中の和食(わじき)ダムの現場をUAVで空撮し、その写真データから

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

盛り土の3Dモデル

 

を自動作成し、土量計算を行っているのです。

和食ダムの現場で使われているUAV(資料:大成建設)

和食ダムの現場で使われているUAV(資料:大成建設)

空撮写真から自動作成した現場の3Dモデル(資料:オートデスク)

空撮写真から自動作成した現場の3Dモデル(資料:オートデスク)

前日の3Dモデルと比較して当日の盛り土量を算出(資料:オートデスク)

前日の3Dモデルと比較して当日の盛り土量を算出(資料:オートデスク)

この手法はオートデスクと米イリノイ大学が共同開発したものです。まずはUAVで空撮した写真をイリノイ大が開発したソフトに取り込み、3Dの点群データを作成します。

その点群データをオートデスクの点群処理クラウドシステム「ReCap 360」や「AutoCAD Civil 3D」に取り込んで、約200m四方のCIMモデルを作成します。

前の日のCIMモデルとの差をとることで、盛り土や切り土などの体積を自動的に計算できるものです。

3Dデータ作成の手順(資料:大成建設)

3Dデータ作成の手順(資料:大成建設)

記者会見を行った関係者。左から大成建設技術センターの江田正敏氏、オートデスクの福地良彦氏、イリノイ大学イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のマニー・ゴルパバファード(Mani Golparvar-Fard)助教授(写真:家入龍太)

記者会見を行った関係者。左から大成建設技術センターの江田正敏氏、オートデスクの福地良彦氏、イリノイ大学イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のマニー・ゴルパバファード(Mani Golparvar-Fard)助教授(写真:家入龍太)

土量の管理には3Dレーザースキャナーがよく使われていますが、この規模の計測を行って土量を計算するのは約1週間かかるのに対し、UAVを使った方法は約半日でできます。

使用したUAVはDJI社のF550という機種で、GPSやカメラの向きを一定に保つジンバルなどを入れても総額約30万円と、数百万~数千万円する3Dレーザースキャナーに比べて大幅に安いのが特徴です。

そして、気になる精度ですが

 

最大誤差で±10cm

 

とのことです。

従来の土量計算は地表面を10~25m間隔で断面を計測し、その間を直線的に補間する「平均断面法」が使われていますが、これだと測線の間を正確に把握できません。

これに対してUAVを使った方法は地表面を数センチメートル間隔で管理できるため、高精度な土量計算が可能です。

施工管理を3D化することにより、土捨て場や重機の移動、車両用道路の変更などの検討をビジュアルに行えるようになり、協力会社とのコミュニケーションの質もよくなったそうです。

ちなみに、現場の空撮はお昼休みなどに行っているそうです。墜落に対する配慮も重要ですね。

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