管理人のイエイリです。
最近、マスコミをにぎわすことが多くなったUAV(無人飛行機)ですが、工事現場では施工管理に欠かせないツールになりつつあります。
大成建設は高知県安芸郡で施工中の和食(わじき)ダムの現場をUAVで空撮し、その写真データから
ナ、ナ、ナ、ナント、
盛り土の3Dモデル
を自動作成し、土量計算を行っているのです。
この手法はオートデスクと米イリノイ大学が共同開発したものです。まずはUAVで空撮した写真をイリノイ大が開発したソフトに取り込み、3Dの点群データを作成します。
その点群データをオートデスクの点群処理クラウドシステム「ReCap 360」や「AutoCAD Civil 3D」に取り込んで、約200m四方のCIMモデルを作成します。
前の日のCIMモデルとの差をとることで、盛り土や切り土などの体積を自動的に計算できるものです。
土量の管理には3Dレーザースキャナーがよく使われていますが、この規模の計測を行って土量を計算するのは約1週間かかるのに対し、UAVを使った方法は約半日でできます。
使用したUAVはDJI社のF550という機種で、GPSやカメラの向きを一定に保つジンバルなどを入れても総額約30万円と、数百万~数千万円する3Dレーザースキャナーに比べて大幅に安いのが特徴です。
そして、気になる精度ですが
最大誤差で±10cm
とのことです。
従来の土量計算は地表面を10~25m間隔で断面を計測し、その間を直線的に補間する「平均断面法」が使われていますが、これだと測線の間を正確に把握できません。
これに対してUAVを使った方法は地表面を数センチメートル間隔で管理できるため、高精度な土量計算が可能です。
施工管理を3D化することにより、土捨て場や重機の移動、車両用道路の変更などの検討をビジュアルに行えるようになり、協力会社とのコミュニケーションの質もよくなったそうです。
ちなみに、現場の空撮はお昼休みなどに行っているそうです。墜落に対する配慮も重要ですね。