道路補修に革命!舗装用3Dプリンターをカリフォルニアで開発中
2016年2月15日

管理人のイエイリです。

道路に凹凸ができたとき、そのままアスファルトを敷いてローラーで締め固めると簡単そうに思いますが、現実はそんなに甘い話ではありません。

凹凸ができた道路のイメージ(以下の写真、資料:Advanced Paving Technology)

凹凸ができた道路のイメージ(以下の写真、資料:Advanced Paving Technology)

アスファルトフィニッシャーによるアスファルト敷きならし作業

アスファルトフィニッシャーによるアスファルト敷きならし作業

というのも、「アスファルトフィニッシャー」は一定の厚さでアスファルトを敷くので、穴の部分はアスファルトの体積が足りず、空洞になってしまうからです。

その結果、しばらくたつとその部分が再び穴となって、舗装の補修が必要となります。

アスファルトフィニッシャーは一定厚でアスファルトを供給するので穴の部分が空洞になる

アスファルトフィニッシャーは一定厚でアスファルトを供給するので穴の部分が空洞になる

補修後、しばらくするとこんな状態に逆戻り

補修後、しばらくするとこんな状態に逆戻り

この問題を解決しようと、米国カリフォルニア州のアドバンスド・ペービング・テクノロジー社(Advanced Paving Technology)と、カリフォルニア大学デイビス校舗装研究センター(Pavement Research Center)は、画期的なマシンを開発中です。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

舗装用3Dプリンター

 

とも言える「3Dアスファルト舗装機」なのです。

アドバンスド・ペービング・テクノロジー社が開発中の舗装用3Dプリンター

アドバンスド・ペービング・テクノロジー社が開発中の舗装用3Dプリンター

開発者のカリフォルニア大学デイビス校舗装研究センター所長のジョン・ハーベイ氏(John Harvey)(左)とアドバンスド・ペービング・テクノロジー社のジョン・スミス社長(John Smith)

開発者のカリフォルニア大学デイビス校舗装研究センター所長のジョン・ハーベイ氏(John Harvey)(左)とアドバンスド・ペービング・テクノロジー社のジョン・スミス社長(John Smith)

舗装用3Dプリンターには3Dレーザースキャナーが付いており、走行しながら路面の凹凸を高精度に計測し、路面の3Dモデルを作ります。

そして「可変スクリード」という装置で、現在の路面から仕上がり面までの高さに応じたアスファルトを供給し、平らに敷きならします。

その上から、ロードローラーで締め固めると穴の部分の空洞がなく、しっかりと補修できるというわけです。

3Dレーザースキャナーで道路の凹凸を精密に計測

3Dレーザースキャナーで道路の凹凸を精密に計測

路面の3Dモデルを作成

路面の3Dモデルを作成

可変スクリードによって凸凹に応じた量のアスファルトを供給する(道路縦断方向)

可変スクリードによって凸凹に応じた量のアスファルトを供給する(道路縦断方向)

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現在の舗装補修工事では、穴の深さに合わせて路面を平らに切削してから、平らにアスファルトを敷きならし、締め固めるという方法が一般的です。

しかし、少数の穴のために大多数の健全な路面も切削することになり、無駄が多いのも事実です。その結果、米国では毎年、9000万m3ものアスファルトが削られているそうです。

一方、この舗装用3Dプリンターがあれば、切削作業時には盛り上がった部分を少しだけ削ればよいので、

 

切削量は激減

 

することになります。

現在の路面切削作業は無駄が多い

現在の路面切削作業は無駄が多い

当然、舗装作業にかかる時間やコスト、環境負荷なども大幅に減りそうですね。

舗装用3Dプリンターのイメージビデオ

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