管理人のイエイリです。
新潟県上越市の杉政建設で働くドボジョ、池田さんの1日を追った「Log of Mud 田の記憶(新潟編)」という約5分のドキュメンタリー作品が、YouTubeで公開されています。
ドボジョから見た現場のリアリティーを追体験できるように工夫したのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
超小型カメラ「GoPro」
を池田さんのヘルメットなどに取り付け、撮影した映像をふんだんに盛り込んだことです。
作品は、朝、起きて部屋のカーテンを開けるシーンから始まります。洗面所で身支度した後、父、母、娘の3人の朝食を作り、軽トラに乗って出勤します。
ドボジョの1日をここまで追った作品も珍しいですね。
現場では、コンクリートミキサー車の出口にシュートを付けたり、スコップで型枠に生コンを入れたりする作業を行います。
これらの作業も、池田さんの目から見たように、誰もがリアルに追体験できるようになっているのです。
「四季を感じながら、地域の住民と話しながら仕事ができ、工事ができていく過程も見られる」と、池田さんは建設業を選んだ理由を語ります。
こうした言葉は建設業で働く人へのインタビューなどでも時々、耳にすることがありますが、GoProで撮った映像を見た後だと、納得感が違いますね。
この作品の最後には、思わぬ展開が待っています。
陶芸家の瀬川氏が、土にまみれた池田さんの作業服を切り刻み、
炉で焼成・粉砕した粉
を使い、「陶葬」という新たな手法で世界に1つだけの器を焼き上げたのです。
このドキュメンタリーは、地方の中小建設会社で構成する「どけんやナビ」(代表:北山大志郎さん)が中心となり、POPSの田中淳一さんや太陽企画の大石暉さん、ルグランの泉浩人さん、山辺仁美さん、そして多摩美術大学教授でコミュケーションラボの佐藤達郎さんなど、広告や映像、マーケティングのプロが一堂に集まって制作されました。
このほかGoProを使って撮影された「Log of Mud」シリーズとしては「橋の記憶(長野編)」、「道の記憶(鹿児島編)」、「森の記憶(三重編)」、「海の記憶(新潟編)」があります。
土建屋さんたちの仕事は、外から見ると「きつい、危険、汚い」という3Kの視点でとらえられがちですが、GoProで撮影した映像で追体験することで、仕事のやりがいや喜びなど、中の人の気持ちが理解できます。
建設業の魅力を外部に発信し、若い入職者を獲得する手段としても、こうしたネット動画の活用は有効ではないでしょうか。