現場エレベーターで「IoT」!大林組が揚重管理システムを開発
2016年4月5日

管理人のイエイリです。

建設中の高層ビルで、各階への資機材搬入の要となるのが現場用エレベーターです。

各階の施工の進み具合に合わせて、ムリ、ムダ、ムラなく計画的に資機材を搬入するように最適に管理することが、工期の短縮につながります。

そこで大林組は現場用エレベーターを使って、リアルタイムに資機材の動きを把握し、見える化する「揚重管理システム」を開発しました。

エレベーターのかごに

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

ICタグリーダー

 

を設置し、建設作業員や機材の動きを読み取る仕組みなのです。

大林組が開発した「揚重管理システム」のイメージ図(以下の資料、写真:大林組)

大林組が開発した「揚重管理システム」のイメージ図(以下の資料、写真:大林組)

読み取るICタグは、現場作業員や高所作業車などの機材と、エレベーター各階の出入り口に取り付けておきます。

エレベーターに乗った作業員や機材が、どの階で降りたのかを、ICタグリーダーで読み取り、その情報をエレベーターシャフトを通して無線LANで現場事務所に送り、揚重データを把握します。

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これまでは、エレベーターのオペレーターなどが、揚重した資材名や数量、使用する会社名などを紙に手書きし、毎日、作業後にパソコンに入力して揚重データを把握していました。

そして必要に応じて、翌日以降の揚重計画を見直していたのです。

今回の揚重管理システムができたことで、リアルタイムに揚重計画と実績の差が分かるので、スピーディーに揚重計画を修正し、効率的に作業することが可能になります。

面白いのは、高所作業車にはICタグ以外に加速度センサーも付いていることです。

その狙いは、

 

高所作業車の稼働率把握

 

です。

現場内を動き回っていない高所作業車は、加速度データがあまり記録されていません。

この稼働率をエレベーターに乗り降りする際にICタグで読み取ることで、稼働率の低い機材を早期発見し、配置変更やリース会社への返却を迅速に行えます。

大林組の実証実験では、高所作業車の延べ台数を16%、コストを18%削減できることが確認できました。

今後は現場内を自動で動き回る無人搬送車「低床式AGV(Automated Guided Vehicle)」との連携システムも開発していく方針です。

まさに、現場のIoT(Internet of Things:物のインターネット)がエレベーターを軸に実現した画期的なシステムに進化していきそうですね。

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