管理人のイエイリです。
先週、オーストラリアのシドニーで開催された「Modular Construction and Prefabrication ANZ 2016」というプレハブ工法関連のイベント取材に出掛けました。
シドニーから羽田空港に、エアチャイナ(中華国際航空)の北京経由便で帰ってきましたが、羽田空港の預け入れ荷物受取所で待っていてもスーツケースが出てきません。
まあ、こんなことはたまにはあるので、荷物のクレームタグを係の人に渡して手続きし、帰宅したところ、翌日、自宅までスーツケースが宅配便で届きました。
スーツケースを開けてみて、その理由が分かりました。途中、経由した北京空港のセキュリティーチェック部門で、
ナ、ナ、ナ、ナント、
カメラの予備電池1個が没収
されていたことが分かったのです。
これまで国内外を何十回も、同じように預け入れていましたが、デジカメの予備バッテリーごとき小さな電池が没収にあうことなど、一度もなかったので驚きを隠せませんでした。
思い出してみると、シドニー空港のチェックインカウンターで荷物を預け入れるときに「バッテリーは入っていますか」と聞かれていました。
ここで悩ましいのが、「バッテリー」という言葉です。いまやデジカメはもちろん、腕時計やクルマの鍵、パソコン、タブレット端末まであらゆるものに電池類は内蔵されています。これらの中に入っているものをすべて「バッテリー」というのは何か不自然な感があります。
チェックインのとき、スーツケースにはミラーレス1眼のデジタルカメラが入っており、その電源となるリチウムイオン電池はカメラの中に1個と、カメラケースの中に1個入っていました。
そこで、私のスーツケースに入っているリチウムイオン電池は「カメラ」およびその付属品だと思った私は、「バッテリーはありますか」の問いに、自動車の大きなバッテリーを持ち運んでいるわけでもないので「ノー」とこたえたのです。
それが間違いのもとでした。北京空港のホームページに掲載されている「持ち込み禁止荷物あるいは預け入れ禁止物品に関する規定」を見ると、カメラの中に入っている電池は「カメラ」扱いなのでセーフ、カメラに入っていない電池は「バッテリー」なのでアウトと、同じ電池でも没収されるものとされないものがあったことが判明しました。
結論から言うと、カメラに入っていない方のリチウムイオン電池は、単独でケースに入れるなどの“養生”を行って、機内に持ち込む荷物に入れておくのが正解だったのです。
こんなにややこしい規定は、北京空港だけの話なのか(失礼!)と思い、念のため日本の「政府広報オンライン」のお役立ち記事をチェックしてみると、同じようなことが書かれていました。
最近、建設業ではドローン(無人機)を使った空撮や計測業務が増えています。ドローンのにはデジカメ用とは比べものにならないくらいの大きなリチウムイオン電池を何個も使います。
これらのリチウムイオン電池は高価で、その辺の店で簡単に買えるものではありません。果たして無事に飛行機での出張に持っていけるのでしょうか。
でも、ドローン関係者の方、安心してください。
100Wh以下なら何個でも
機内に持ち込む手荷物に入れて持ち運ぶことができるのです。
逆に、液体バッテリーやニッケル水素バッテリーなどは手荷物として機内に持ち込むことはできず、チェックインカウンターで預け入れなければなりません。
最近、空港のチェックインカウンターで「貴重品は入っていませんか」「壊れ物はありませんか」という決まり文句に加えて「バッテリーはありませんか」と聞かれることが多くなりました。
これからは少しでも気になったら、面倒くさがらずにカウンター担当者に聞いた方が、貴重なバッテリーを没収されないためにも良さそうですね。
(訂正)初出時に「Wh」という単位を、誤って「kWh」と書いておりました。訂正します。(4/6、9:00)