3Dデータ通りにピッタリ掘削!日立建機がICT油圧ショベルを発売
2016年4月21日

管理人のイエイリです。

建設機械の中でも、最も代表的な油圧ショベルは、考えてみると面白い機械です。

本体から伸びるブーム、アーム、バケットは、関節部分のピンを中心に回転運動をしますが、現場での施工では四角い断面の溝をまっすぐに掘ったり、平面の法面を仕上げたりと、直線や平面からなる部分の施工が多いのです。

複数の回転部分を組み合わせてバケットを直線や平面に合わせて動かすのは、やはり職人芸ですね。しかし、不慣れなオペレーターだと、つい平らに仕上げる部分を丸く掘りすぎたりすることもありそうですね。

そこで日立建機は、経験の浅いオペレーターでも直線や平面などを、設計通りに正確に掘ることができるICT油圧ショベル「ZX200X-5B」(標準バケット容量:0.8m3)を開発しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

3Dマシンコントロール機能

 

によってバケットの動きを半自動制御することができるのです。

ICT油圧ショベル「ZX200X-5B」(以下の写真、資料:日立建機)
ICT油圧ショベル「ZX200X-5B」(以下の写真、資料:日立建機)
平らな溝なども図面通りに掘れるので、掘りすぎの心配がない

平らな溝なども図面通りに掘れるので、掘りすぎの心配がない

建機本体にはGPSやGNSSなどの衛星測位システムや、車体の角度センサーが付いており、建機の位置や姿勢情報と、土工構造物などの3D設計データをリアルタイムに照合しながら、バケットを施工目標面にピッタリと合わせて掘削できるのです。

これまでの油圧ショベル作業では、掘削位置や法面の角度などを示す「丁張り」という仮設の標識を現場のあちこちに設置する必要がありましたが、このICT油圧ショベルを使うとその必要もなくなります。

また、法面の仕上げでは、バケットを直線的に動かすだけでなく、バケットの角度も法面と平行に保ちながら行うというさらに難しい作業が要求されます。

そんなときのために「バケット角度保持モード」が用意されており、アームとブームを法面に沿って動かせば、バケットの角度は自動的に法面の角度に追随するように自動制御が行えます。

 

バケット角度保持モードによる施工イメージ

バケット角度保持モードによる施工イメージ

 

また、この建機には2Dマシンガイダンス仕様のタイプも用意されており、施工目標面やバケットの位置、角度などを運転席のモニターに表示します。

2Dマシンガイダンス仕様のモニター表示例

2Dマシンガイダンス仕様のモニター表示例

3Dマシンコントロールや2Dマシンガイダンスの建機は、3D設計データがないと使えないので、工事の内容によっては面倒な場合もあります。

例えば、先に掘削や仕上げが済んだ法面をさらに延長したいときには、3D設計データがなくても、

 

バケットを法面に押しつけ

 

て、スイッチを押すだけで施工目標面をワンタッチで設定できる「目標設定ダイレクトモード」も備えています。

施工済みの法面に合わせて手軽に掘削できる「目標設定ダイレクトモード」

施工済みの法面に合わせて手軽に掘削できる「目標設定ダイレクトモード」

このICT油圧ショベルは、2016年6月に日立建機日本からレンタル提供を開始し、同11月からは販売も開始される予定です。標準小売価格は3750万円(消費税別)となっています。

こんな油圧ショベルがあれば、新人が操作しても短期間でプロ級の仕上がりが期待できそうですね。

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