管理人のイエイリです。
土木分野では道路やトンネル、橋梁などの分野で、従来の2次元図面に代わって3Dモデルによって構造物や現場の形や材質などを表現し、設計・施工を行うCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の導入が急ピッチで進んでいます。
建設会社における様々な分野におけるCIM活用をまとめた「2016 施工CIM事例集」が、今年も日本建設業連合会インフラ再生委員会によってまとめられ、先日、日建連サイトで無料公開されました。
昨年、公開された2015年版は33現場でのCIM活用例が収録されていましたが、今回の2016年版は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
10分野、48事例が収録
が収録され、さらにパワーアップしているのです。
各事例は2ページにまとめられ、同じフォーマットで整理されています。冒頭には工事概要と施工CIMの活用方法による分類がまとめられています。
分野別の収録事例数は、ダム(2件)、トンネル(11件)、シールド(3件)、地下構造物(5件)、大規模土工(4件)、道路(3件)、橋梁(11件)、河川(1件)、一般土木構造物(5件)、解体修復(3件)となっています。
それぞれ、CIMの導入効果のほか、運用体制や使用ソフトなどが具体的に書かれているので、どのような目的で各社がCIMを活用し、効果を上げているのかが参考になります。
ダムや大規模土工などの分野では、やはりドローン(UAV)を使った測量や土量計算などの事例が目立ちました。
地下構造物の分野では、土に埋まった様々な構造物をCIMモデルによって見える化したことで、施工方法や手順の共有、干渉防止などに成果を挙げた事例などが報告されました。
河川分野ではタブレット端末を使ったAR(拡張現実感)による完成イメージの説明、シールド分野では機械用3DCADを使った施工シミュレーション、解体修復分野では石垣の修復における3Dレーザースキャナーや石材配置シミュレーションなど、CIMの幅広い活用事例が紹介されています。
このほか、よくぞここまで紹介してくれたと感謝したくなるのは、
初期モデル構築費用
など、コスト的なことも書いてある事例があることです。
これだけの内容の貴重な資料が無料で見られるのは素晴らしいことです。編集に当たった日建連インフラ再生委員会技術部会(部会長:世一英俊氏。安藤・間
常務執行役員技術本部長)や、資料を提供した建設会社の皆さんには、心から感謝いたします。