管理人のイエイリです。
目に見えない風の流れや温熱環境を、設計段階で見える化する熱流体解析(CFD)ソフトは、快適で環境に配慮した建物を設計するのにとても役立ちます。
特にBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトで設計した建物の場合は、BIMモデルの3次元形状をCFDソフトに読み込むと、解析の手間が大幅に減り、結果も短時間でわかるので、設計の最適化にも役立ちます。
日建設計とCFDソフト「FlowDesigner」を開発・販売するアドバンスドナレッジ研究所(AKL)はこのほど、同ソフトの新たな活用方法を共同研究しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
VRで風の流れを体感
できるようにしたのです。
VR(バーチャルリアリティー、仮想現実感)とは、ヘッドマウントディスプレーを使って3次元空間を立体的かつ実物大でリアルに体験できるシステムです。
CFDの結果を、VRで見ることで、これまで設計時には実感しにくかったビル風やオフィス内の温度分布を、あたかもその場所に立っているかのように体感できます。
これまでもオフィスの室内での温度や風の流れは、CFD解析で求めることができましたが、実際にそのオフィスで働いてみると、吹き出し口の付近が冷房で寒すぎることがわかり、風の流れを変える板を後付けしている例をよく見かけます。
その点、VRを使ってオフィス内を「ウオークスルー」しながら、風が強い場所はないか、寒すぎる場所はないかと確かめたり、その風はどこの吹き出し口から来るのかをイメージしたりしながら検討できます。
またそして、設計段階で修正しておくと、より省エネ性の高い、快適なオフィスができそうですね。
さらに面白い機能として、3次元の街並みの中を
ナ、ナ、ナ、ナント、
風になって飛ぶ気分
も味わえます。
VRコンテンツの視点を、“空気粒子”とともに動くようにしたものですが、VRならではのユニークな飛行体験ができそうですね。
このVR機能は、次期バージョンの「FlowDesigner 2017」に搭載されるとのことです。建物オーナーなどにVRを使って風や熱を印象的にプレゼンすることで、設計の差別化を図ったり、環境性能に対する投資を引き出したりという効果にも、期待が高まります。