風になって飛ぶ気分も!日建設計がCFDソフトのVR機能を開発
2016年10月11日

管理人のイエイリです。

目に見えない風の流れや温熱環境を、設計段階で見える化する熱流体解析(CFD)ソフトは、快適で環境に配慮した建物を設計するのにとても役立ちます。

特にBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトで設計した建物の場合は、BIMモデルの3次元形状をCFDソフトに読み込むと、解析の手間が大幅に減り、結果も短時間でわかるので、設計の最適化にも役立ちます。

CFDソフト「FlowDesigner」で都市内を流れる風の動きを解析し、見える化した例(以下の資料:日建設計、アドバンスドナレッジ研究所)

CFDソフト「FlowDesigner」で都市内を流れる風の動きを解析し、見える化した例(以下の資料:日建設計、アドバンスドナレッジ研究所)

日建設計とCFDソフト「FlowDesigner」を開発・販売するアドバンスドナレッジ研究所(AKL)はこのほど、同ソフトの新たな活用方法を共同研究しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

VRで風の流れを体感

 

できるようにしたのです。

VR(バーチャルリアリティー、仮想現実感)とは、ヘッドマウントディスプレーを使って3次元空間を立体的かつ実物大でリアルに体験できるシステムです。

CFDの結果を、VRで見ることで、これまで設計時には実感しにくかったビル風やオフィス内の温度分布を、あたかもその場所に立っているかのように体感できます。

ビル風を体感するVRコンテンツの例。左右の目で立体視できるように視角を変えた2点1組の映像になっている

ビル風を体感するVRコンテンツの例。左右の目で立体視できるように視角を変えた2点1組の映像になっている

オフィス内の温熱環境を見える化した例

オフィス内の温熱環境を見える化した例

これまでもオフィスの室内での温度や風の流れは、CFD解析で求めることができましたが、実際にそのオフィスで働いてみると、吹き出し口の付近が冷房で寒すぎることがわかり、風の流れを変える板を後付けしている例をよく見かけます。

その点、VRを使ってオフィス内を「ウオークスルー」しながら、風が強い場所はないか、寒すぎる場所はないかと確かめたり、その風はどこの吹き出し口から来るのかをイメージしたりしながら検討できます。

またそして、設計段階で修正しておくと、より省エネ性の高い、快適なオフィスができそうですね。

室内をウオークスルーしながら細かい温度分布や風の流れを体感できる

室内をウオークスルーしながら細かい温度分布や風の流れを体感できる

寒すぎる場所があったとき、その空気はどこから流れてきたのかもVRなら実感しやすい

寒すぎる場所があったとき、その空気はどこから流れてきたのかもVRなら実感しやすい

さらに面白い機能として、3次元の街並みの中を

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

風になって飛ぶ気分

 

も味わえます。

VRコンテンツの視点を、“空気粒子”とともに動くようにしたものですが、VRならではのユニークな飛行体験ができそうですね。

街並みの中を風になった気分で飛ぶ体験も味わえる

街並みの中を風になった気分で飛ぶ体験も味わえる

風になって飛ぶイメージ図

風になって飛ぶイメージ図

このVR機能は、次期バージョンの「FlowDesigner 2017」に搭載されるとのことです。建物オーナーなどにVRを使って風や熱を印象的にプレゼンすることで、設計の差別化を図ったり、環境性能に対する投資を引き出したりという効果にも、期待が高まります。

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